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濃すぎてなかなか進まない、たった2ページなのに。書評その18「三十代の初体験」羽田圭介

私の読書メーターより

小説家にふれるにはまずエッセイが必要

著者は聖飢魔IIの信者さんでいらっしゃるので覚えていたのだが、いかんせん小説を読む習慣がなかったので著作に触れてこなった。ところが先日モーサテの特番で出ており、このエッセイのシャツを着ていた。「エッセイが出てるんじゃん!」と思って大慌てで調達。

「作者の頭の中をのぞく」系の本が好きで、本人の書いた本やエッセイがきっかけで作品に興味をもつことが多い。たとえば私は今でこそジョジョが好きだが、はじめて読んだのは「荒木飛呂彦の漫画術」で、そこからジョジョを読み始めたのだ。そんな私にとって今回のエッセイは荒木飛呂彦以来の素晴らしい本だった。

三十代の初体験

三十代の初体験

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内容が濃くて読み進めるのに時間がかかる

大きいページに体験談が2ページ程度なのに、読むのに時間がかかる。それは内容がとてつもなく濃いからだ。著者はyoutubeでこのエッセイを「枕元において寝る前に読んで下さい」という感じのことを言っていたが、本当に毎日少しずつ楽しむ感じのものである。内容が濃いので分割しないと。

まず「はじめに」の時点で冷蔵庫がない生活を体験していると言うことに驚き。もの書きを生業にしているだけあって知識と語彙が本当にすごい。「ホテルで朝食」は見出しも面白いし、卵に対してもよく語られていてほんとにびっくりした。

一番印象に残った話は「卓球」のエピソード。雑誌の連載なので記者が周りの方にも個人的な話を聴いて回っていたそうだ。だがそれは個々人にストーリーがあることは当たり前だからそれは類型的で想像の範囲を超えない、という話だった。
なにもないところからストーリーを見つけるとき、人のストーリーとかを回収しようとするのはよくあることだが、それは安牌なんだな。と感じた。たしかに、なにもないから個人のストーリーを回収するというのは安易なことだ、ととても心に残った。

トレースしたのは「しらす」

本当は、自分も同じ経験をしたときにどれくらい著者と語彙や新しい発見が違うかなどを勉強すべきだが、いかんせん内容が濃いのでまだ読むだけでいっぱい。これから私も体験談を書いてみよう。

そこで、しらすをトレースした。築地市場でしらすを買ったと言う話があって、著者はいつもしらすでご飯を食べていると聞いて美味しそうだなぁと思ってスーパーでしらすを買って食べた。帰りが遅かったので、簡単にできる「しらすトースト」にした。パンにマヨネーズを塗って、白子をかけて上にチーズをのせて焼いて食べた。おいしい。市場のしらすに思いを馳せながら食べた。

著者はエッセイのあちこちで小説がなかなか買ってもらえないことを嘆いていた。小説って、表紙やタイトルから中身が推測できなかったりするのが購入ハードルが高いのかな?本人の楽しそうな方というイメージが先行していて、小説と別世界になっているのかも?著者のYouTubeを見て、まずは「Phantom」を読み始めた。この書評もいずれ。ごきげんよう〜