ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

この題材で面白いのは本物の証「アバウト・ア・ボーイ」

子供嫌いの男と子供の話なのよ。あらすじだけ聞いてもそんなに面白そうじゃないんだけれども、これ結構面白かったわ。

アバウト・ア・ボーイ

特定のシーンで過去を連想させるようなカメラワークといいテンポの良さといい、技術があるようだ。極めつけは主人公のキャラクターね。下半身が奔放な割にそんなに不快に感じないのよ。不快な要素に気を取られない謎の設計技術が光るわ。この映画は実はキャラクターもので、よく設計されたキャラクターが物語を牽引していくタイプの映画なのよね。そこにカメラワークとテンポの良さが華を添えて良い化学反応が起きている。

主人公ウィルは独身男。子供こそ嫌いだがシングルマザーの良さに目覚め(下半身的な意味で)、シングル親支援コミュニティに出入りしてシングルマザーを漁る。そこで目をつけたシンママの友達の子供こそがもう1人の主人公マーカスなのよ

公園でマーカスがパン(母親作でデカ重い)を池にぶん投げたところカモにぶつかって死ぬという出来事を皮切りに物事は進展する。なんとマーカスの母親が自殺未遂をするのよ。この家庭には問題があって、母が精神的におかしい上に菜食主義を押し付けられてマーカスはマクドナルドにも行けないのよ。学校でいじめられてるのも母親わかんないみたいだし。

ウィルとマーカスはこの事件をきっかけに交流を深めてゆく。ウィルから同情されたことで「今の状況は自分が弱虫だから起きているわけじゃない」とマーカスが気づいたりと進歩していく。クリスマスプレゼントのCDの影響でマーカスは好きな子との距離が縮まる。

こんどはウィルに試練が。マーカスに協力してもらい自分の子と偽って同級生の美人ママ、レイチェルと交流するのよ。ところがウィルは親の遺産でのうのうと暮らしてるもんだから、あなたに感じたのはブランク(空白)だと言われるのよね

そんな中、マーカスは母親の助けになりたいがため学園祭のコンサートで母に向けた歌を披露し大ブーイングを喰らう。ウィルは出場を反対してたんだけどやむを得ず一緒に演奏してブーイングを喰らう。でもその出来事がきっかけとなって、今までマーカスとウィルに関わっていたメンバー全員が集まってウィルの家でクリスマスパーティをやってるのよ。好きな子ともいい感じ。ちゃんとマーカス母もマクドナルドに子供を連れていくようになったのよ。

そしてこの映画は「人は1人では生きていけない、支えが必要だ」という話だったのね。その主題に沿って主人公2人が動いたから最高の結果になって終了したということだわ

主人公2人が学び変わる様子が丁寧に描かれていて、初期にマーカスと母がピアノで歌を歌うシーンでウィルが「この歌は終わって家に帰れるはず」とか結構嫌がってる。この嫌がり描写も秀逸な上にその考えが変わってく様子がわかるのよね。あと歌っているシーンとか何か書いてるシーンでカメラが回転したりととにかく退屈なシーンを作らない工夫がされてるのよ。総じてこれは良作(★★★☆)だわね。ごきげんよう〜