ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」参戦レポ

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ちょっと前になるけど三菱一号館美術館でお昼食べたのよ。そのあとここを通りかかって、展覧会があるということで見てみることにした。この展示場所もなかなか立派で古い建物。まあお金持ちが収集した美術品が展示されているのね(だいたいそう)

おとな一枚1,500円。全体は30分〜1時間あれば間違いなく見終わるボリューム。食後の腹ごなしにちょうどいいわ。中に入ると、あらゆる博覧会に出たお品が並ぶわ。キャプションには「重要美術品」「未来の国宝」「修復後初公開」などのアイコンがついて盛り上がっている。

スタートは、立派なニワトリの屏風だわ。かなり緻密に描いてある。ほかは松と滝と馬と崖が書いてある掛け軸が多いわね(雑)。中国のものが多い。似たようなのとか模写が続いて「またか」って思いながら見てたが、コピーがなかった当時に模写して残すのが貴重ということだったらしい。確かにそうだわ当時を考えると。考えてみるとこの大きい歴史、広い世界の中で模写と元ネタが並んでるのって結構貴重なことよね。

個人的ハイライトは、なんか偉い人の下積み時代の掛け軸2枚ね。1つ目はなんかおじさんが困窮して帰郷したら妻にも無視されるという屈辱的な場面なんだとか。これで発奮して立派になったらしいわよ。

屈辱的な場面

2つ目は韓信が毎日釣りをしていると洗濯をしていた老婆が見かねてごはんを施したシーン。「いつかこの恩に報いる」というが、自分で食えずに何が報恩だと言われたというのよ。ギャグマンガだよこれは。美術館側ももっと説明を面白おかしく書くべきよ、せっかくのおもしろ展示なんだから。私が学芸員になったらこういう作品ばかり集めたいわね

「自分で食えずに何が報恩だ」の場面

このあとくらいからデカくて色彩がついた掛け軸も出てくるようになって、なんか唐突にクマが入って来たという絵があるのよ。むしり取られた花から、後ろの方まで細かく人物がかかれている。同じ人が書いたグロテスクな絵があったが撮ると呪われそうだわ。描写が容赦ないのよ、血が生々しい。他には定規を使って書いた緻密な作品もあって、界画(かいが)とよばれるらしい。私はこれが気に入ったわ

今回の目玉は、「曜変天目(ようへんてんもく)」という茶碗(撮影禁止)。世界に3椀しかないらしい。深いけど透明感のある宝石のようなブルーのお椀の内側に、細胞のような斑紋があって光を虹色に反射してるのよね。これはわかりやすくお宝で「ほほー」っていいながら見たわ。

曜変天目のぬいぐるみ

けっこう満足して出て来たところ、ミュージアムショップもご覧くださいって言われたのよ。行ってみたらあの茶碗がめちゃめちゃ推されてたわ。アロハシャツまである。お椀をぬいぐるみにする発想といい、かなり最近のミュージアムショップってセンスいいわよね

曜変天目のメガネ拭き

そこで私は曜変天目のメガネ拭き(950円)を買ったわ。今はメガネ屋のデフォルトのクロスがケースに入ってるんだけど、黒いケースに黒の布でなんだかなあと思ってたのよ。ちょっと布が硬いけどサイズがでかいからメガネ拭きやすい。ケースを開けると怪しく光るブルーが鮮やかに目に飛び込んでくるのが気に入ったわ。また年明けの次の展示の頃に来てみるかしら。ごきげんよう〜