昔々…お客さんはたいそう困った部長だった(要求が細かくて怒りっぽい系)。私は当時ちんちくりんの新人だったので怒られないんだが、周りのベテランエンジニアとマネージャーがまあ怒られる怒られる。
この部長を担当していたエンジニア同士で会社の垣根をこえて食事に行く機会があったが、完全に被害者の会の様相を呈していた。「complainする」という独特の常套句から、怒りに任せて全文英語のメールが「Dear all ...」とプロジェクト全員に来たなど、無駄に多才で怒りっぽいせいで数々の伝説が語られた。
極めつけは部下とのコント。打合せの場でいつもどおり弊社に向かってcomplainしていると、すっかり恐縮しきったお地蔵さんのような部下が下を向いて「はい…おっしゃるとおりです…」と、すっかり腰巾着(ちょっとは弊社のこともフォローしろや)。しかし3回めのおっしゃるとおりに差し掛かった時、部長の「おっしゃるとおりじゃねえんだよ！」という怒号とともにボールペンがお地蔵さんを直撃。もはや誰を怒っているのかもわからん事態に。
「おっしゃるとおりじゃねえんだよ」という名言は、理不尽の代名詞として無事に定着した。そして部長は左遷されて村に平和が戻ったので、ちゃんと日本昔ばなしだわほんとに。ごきげんよう～
