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癒される上に本格的なビジネス書。書評その6「伝えることから始めよう」高田明

私の読書メーターより

聴いてよかった、オーディブル大推奨の一冊。朗読者の雰囲気も良くて、髙田社長のとても優しい人柄や前向きな気持ちを感じられる。相手のことを考えて「どうしたら嬉しいか」を追求した積み重ねが現在のジャパネットを作り上げ、通販業界の定番となったのだなと感じた。

youtubeでわざわざ見たくなるテレビショッピングというのも、ジャパネットたかたとサンドウィッチマンのコントくらいのものだろう。「金利手数料ジャパネット負担」「明日の折り込みをご覧ください」というお決まりの文言もジャパネット発祥。サンドのネタでは送料手数料そして代金まで負担してしまって大爆笑するのも、やはりジャパネットという元ネタが皆に親しまれていてこそ。今ではこれも定番となっているセット販売(&設置サービス)も「手元に届いてすぐ使えるように」という発送からの先駆け。カメラ&フィルム、ソニーのベガ&テレビ台のセット販売はあまりにも有名。

ジャパネットは主に「世の中に電化製品いっぱいありますから、どれを選んだらいいかお悩みの皆様のためにこちらで選んでおきましたよ」という、高齢者向けの業態。さらに「小売」という制限の多い業種ながら、上記の他にも相手に寄り添う事例がさまざまで、

・利用方法の問い合わせや故障の相談などもたくさん寄せられて蓄積されたノウハウをメーカーと分かち合う
・ビデオの宣伝では、社員にお子さんを撮影してもらうなど、利用者の利用シーンにとことん迫ったプレゼンを用意
・過去の不祥事(個人情報流出)の際にはいち早く休業を決断し徹底的に事実の確認・開示を行う

などなど。今日のジャパネットの姿は「プレゼン」のみではない様々な「伝える」を髙田社長が実践された結果のだなと感じる。そして、業態の制限があるからこそ髙田社長の創意工夫が他との差別化につながったのだなと感じた。

さらに、髙田社長は、なんと世阿弥の「風姿花伝」「花鏡」を読み勉強されていたという。かくいう私も能を習っていた時期があるのでこの事実に運命を感じずにはいられない。客観視の究極点であるメタ認知のような概念である「離見の見(りけんのけん)」を常に心に刻みながら本を何度も読み返し、独りよがりにならないかを実践されてきたという。

「伝えることから始めよう」は、世阿弥やサンドウィッチマンなど、自分の大好きなものにたくさん結びついているので(一部勝手に結びつけて1人で興奮していたが)聴いていてますます楽しい・嬉しい一冊となった。髙田社長に「ブロックチェーン」とか「NFT」を解説してもらったら分かりやすくなるんだろうなあ…と考える私。自分だったら祖父母にどうやって説明するだろうか?ごきげんよう〜

伝えることから始めよう