時系列の整理されてない話があちこち飛ぶのよ。それでその時系列の中でほとんどは劇的なことがあるわけでもなく他愛もない話してるのよ。それでもカメラワークがいいからか、割と大人しく見てたわ。
時系列を組み立てるとちゃんと話が進むけどそこを崩しましたよというのが当時は斬新だったということかしら。最初は男女のカップルがレストランで強盗を企てるところから始まる。その次にはなんかギャングみたいなのが男の家に乗り込んでいくところ。次に麻薬の売買の話が出たりとしているのね。これがひとつになるとは想像つかないくらい話がバラバラなんだよね。
タランティーノの味を感じたのは、ボクサーがタクシーで移動するシーンね。八百長を拒絶して相手をリング上で殺したというとこなんだけど、それで恋人のいるモーテルに向かう。ところがタクシーの背景が白黒でとても車を運転してる動きじゃないのよ。ここはキルビルの飛行機移動のシーン、飛行機が糸で釣られてるのがうっすら見えるあのシーンと同じセンスだわ。
個人的にパワーを感じたのは、男がケンカしながら店になだれこんだシーンね。店の中で暴力沙汰でもう血が出てるんだけど、店員が2人を拘束して地下に監禁するのよ。そして猿轡かませてるんだけど、なんでそんなすぐに猿轡が2つも出てくるのよ。さらに1人が別室へ連れ込まれて強姦される。なぜ普通の店の地下に男をなぶる用意があるんだよ。最終的にもう1人が縄を解いて喧嘩してたはずのもう1人を助けて脱出したわ。こんな強引な展開がまかり通るのはパワーがあるからだわね。
さいごにギャングが間違って死体を出してしまいそれを処理するんだけど、終わったら朝のレストランへ。そこで強盗が発生するという流れなのよね。そこでようやく話がつながってるんだと知ったわ。
話の流れは難しいんだけどそのあとWikipediaとかで調べるくらいには興味を持ったわ。その中でカメラワークもそこそこ良くてパワーもあるということで、これは少し難解ながらもまあ良作(★★★☆)と言えるかな。ごきげんよう〜
