韓国の史実に基づく話らしい。しかも政治の話ということで、話の流れを追うのがかなり難しかったわ。ただ、演出は優れていて、テンポもよく、その中に情報量の多い会話を入れ込んでくる。この作品のポイントは、差し迫った雰囲気がどんどん強まっていくことだわね。最初からかなり不穏なんだけど、それが強まっていく。
【主要人物】
・チョン・ドゥグァン
・イ・テシン
大統領の暗殺をきっかけに、権力の座に収まろうとする勢力が現れ始める。「ハナの会」というのよね。チョン・ドゥグァンを中心に動いていくこととなる。とてもストイックでクリーンな軍人イ・テシンが政府側の人間として迎え撃つ。
個人的ハイライトはイ・テシンがなんか部隊を整列させて立派なこと喋ってる時(雑)よ。部下のうち1人がそばに控えててなんか喋るんだけど、光の当たり方とアングルによって部下が片目に見えるのよね。明らかに怪しいと示唆しているカメラワークだわ。部隊にもハナの会が紛れ込んでるのよ。
ハナの会はクーデターを企て始めて、なんか偉いおっさん(雑)を拉致しちゃうんだよね。それを合法(つまり逮捕の形)にするために、しきりに大統領にお願いに上がってくる。さすがに決裁は取れないんだけど、クーデター側がしだいにソウルを目指すようになってくる。
それを阻止するべく説得、しだいに武力衝突の応酬へと発展していき、物語の大半がその様子に費やされる。これを魅せるのが緊張感のある演出よ。俳優の演技とも噛み合っている。
ところがなんと物語の最後には、クーデター側が勝っちゃうのよ!どう考えてもイ・テシンが勝ってほしいところじゃん!それを期待してずっと見続けたのに、ナレーションとともにドス黒い大統領まわりの写真が撮影されて終了よ。こんなに一生懸命見てバッドエンドかい!まあ史実がベースだから仕方ないか。
なんでこんなバッドエンドなのに最後まで見たかというと迫真の度合いの高さよね。2時間半くらいあったはずだけど、どんどん不穏な戦いになってきて緊張が高まっていくしか無い。その繰り返しを2時間半見せるってすごいことだわ。とても差し迫った雰囲気ね。これはエンディングに大不満なんだけど映画としては良作と言えるわね。ごきげんよう〜
