宇宙人が襲ってくる系だけど、演出がいいのよね。シックス・センス(傑作判定)と同じ監督だから期待大なのよ。
庭のとうもろこしみたいな畑にミステリーサークルができるところから始まる。もちろんカメラワークは良くて、背の高い畑を足元から写して広大さと不気味さをよく演出してるわ。ミステリーサークルを遠景から写した時の配置も絶妙。とにかく不穏な空気。そこには親子(元牧師)と叔父が暮らしてるんだけど宇宙人が来た来てないの話になる。おもちゃの無線機に声が入ってて、この辺りから宇宙人の気配がしはじめる。この無線機のくだりが最初のピークで、物語としての抑揚もある。
テレビに宇宙人と思しきものや、外が大変なことになってるのが映ってるようなんだけど、視聴者には見せない手法でじわじわと謎と恐怖が深まるお手本のようなスリラー。ビックリ演出も上質で、子供が買った宇宙人の本がいよいよ現実味を帯びてくる場面で間合いも取ってある。そんな中に電話が鳴るもんだからビックリなんだけどこれは良いビックリね。間合いが素晴らしい。
個人時ハイライトは部屋の向こうにあるものを扉の下から覗き込むシーンね。部屋の向こう側から扉の下を写したカメラワークで、覗き込む顔にピントがあたってて部屋の中はピントが合わないからぼやけてる。視聴者にとっては良いじれったさのあるカメラワークだわ。
徐々に宇宙人が侵略の気配を出してくる。テレビを見る父の顔のライティング(半分以上が影)からあふれる不安感が完璧ね。いよいよ我が家も…という最後の晩餐が演出のピーク。父親が、大の大人が泣くのよね。それに相応しい焦燥感あふれる揉め事や話し合いがあったから素晴らしい緊張感。
宇宙人がいよいよ来る。とにかく最後ギリギリまで姿を映さない。壁の外で犬が吠えてるんだけどキャインキャイン言って声がしなくなる。地下室に立て篭もるが、肝心なところで灯りが消えてしまってとてつもない没入感と焦燥。
宇宙人が遠ざかっていったと思って安心してテレビを部屋に運び込んだらいたのね。テレビに映り込んでたわ。この時に、物語中盤で妻が死に際に言い残していった言葉が宇宙人を退治するための手順だったことが発覚、このサインを逃さなかった父は宇宙人を撃退したわ。さらに、息子も喘息の発作のおかげで宇宙人の毒ガスを吸い込まずに済んだと。物語の序盤から仕込んでいた要素がちゃんと回収されているのよね。最後に物語の最初と同じカメラアングルで自宅が映る。不穏さはなく、子供達も楽しそう。妻の死を乗り越え再び牧師となった父を映して終了よ。
もしこれが最初に見たシャマラン監督作品がこれだったら傑作判定にしたわね。シックス・センスほどの驚きには至らなかったかな。これはかなり出来のよい良作(★★★☆)になるわね。期待値も高いからこんなことになっちゃったけど、演出がとてもいいから集中して没頭するにはおすすめできるわ。この情報量をちゃんと1時間台に収めててさすがだわ。ごきげんよう〜
↓シックス・センス(傑作判定)
