ピーターはMJ(メリージェーン)にプロポーズせんとする距離感だったにも関わらず本作で大失態を犯すのよ。決まった相手がいるのにスパイダーマンの姿とはいえ式典の場で別の女性とキスして視聴者の反感を買ったのよ。なんてバカなことを。このキスがきっかけで登場人物の関係が崩れて物語が進んでいくのよね。
また、脱獄犯マルコが砂の能力を手に入れたこと、なんか黒い物体が黒のスパイダーマンスーツへと変わったことが話に絡んでくる。あとは友人だが父の死をきっかけに敵対しているハリーの存在ね。
黒いスパイダーマンスーツを着ると気分が良くなるがその人の悪いところが増幅する。ピーターの場合悪いことをされた仕返しとはいえやりすぎるとか、降りかかった火の粉を払うために攻撃するとか、そういった「正しい行為」のやりすぎに出てるからすごく納得して見ちゃうわ。
ハリーの策略でピーターはMJから別れ話を持ちかけられ、そこから黒いスパイダーマンスーツも手伝ってヤケを起こしてなんかやりたい放題になるのよね。そして過ちを重ねていくピーター。そんな折に叔母が訪れて、過ちを正すには難しい選択を取る、一番難しいこと=自分を許すを行うと話してくれたわ。それで立ち直るのよね。
話のクライマックスでMJがさらわれる。スパイダーマンが助けにいくが、今回は黒いスパイダーマンもどきと砂の男が立ちはだかる。ところが、執事から父の死の真相(ピーターに殺されたのではない)を聞かされたハリーが加勢して2対2という激アツ展開。
戦いの果てにスパイダーマンもどきは死亡、ハリーは重傷を負い死亡。惜しみなく重要キャラを殺すあたり好感が持てるわ。砂の男は実はピーターの叔父の死に関わっていたが、背景にある事情を聞いたピーターが「許す」といい、成仏したかのように砂になって飛んでいったわ。最後はハリーの葬式をしてピーターとMJが元の鞘におさまって終了よ。
今作では過去の過ちとそれを許すという流れが大きなテーマになっている。なおかつ戦いのシーンも相変わらずこの作品でしかできない表現、そして過去最大のスケールと正統進化を遂げているわ。そして安定のカメラワークと演出。今回も文句なしの良作(★★★☆)だわね。ごきげんよう〜
