そもそも埼玉県にビーチを作るという話が発端になってストーリーが走り出す。海への憧れが縁となり、埼玉と滋賀とに連帯が生まれてゆく。
大阪ではかつての東京のような通行手形がまだあり、地下では他県民を虐げるような労働が行われている。なんなら魔法陣グルグルで言うところの意味のないガラガラ回すやつなどさえある。さらに地下労働施設ではチャーリーとチョコレート工場のパロディなども展開され、相当気合が入った演出が見られる。
今回出会った美少年キャラが主人公の生き別れの兄弟であることが発覚し、話が展開していく。甲子園の砂とかあらゆるものに大阪特有の粉ものの粉が入っており、全国民を大阪化する計画が進行していた。大阪都構想に発端を持っているものだった。
粉ものの実を育成阻止するために琵琶湖の水を止めることになるが、それによって滋賀県は水没してしまう。最終的に大阪は通天閣をミサイルとし、粉をばらまくことを目論む。しかし埼玉県唯一の行田タワーを飛ばして迎撃することによって事なきを得た。
こうして大阪への通行手形も撤廃され、主人公たちはビーチの建設にいそしみ、新しく開通した埼玉の路線を結ぶ武蔵野線でちゃっかり接続しているディズニーランドへ向かって行ったわ。
ハイライトは行田タワー。田んぼアートを見るための埼玉唯一のタワーなんだけど、主人公が「まさか田んぼアートを見るためだけにタワーがあるなど、そんなバカバカしい話は無い」と言うセリフがある。それが現実の行田タワーのバカバカしさを引き立てている。
今回もテンポは良好で、カメラワークもバカバカしいものをよりバカバカしく映すために頑張っているのがわかる。同作者のパタリロを演じた加藤諒くんの出番が増えていることも評価できる。ただ、前作ほどのずっと注目させるようなパワーはなく、特に中盤からの失速が惜しい。しかしながら一定のコメディ的クオリティを持って仕上げている良作と言えるわね。ごきげんよう~
