やはり昔の映画と言うだけあって、声も出てないし、テンポも悪いと言うレベルではない。しかしながらテンポが問題にならないほど映画に引き込まれるのは特殊な舞台美術や雰囲気のおかげだろう。
【主要人物】
・カリガリ博士
・チェザーレ
カリガリ博士というのがいて、夢遊病患者のチェザーレを見せ物にしてるのよ。チェザーレが余命を予言することによって、観客は本当に命を落としてしまった。その後も殺人事件が起こり、すごく不審な感じになっている。
どう考えてもそのチェザーレが怪しいんだが、途中でチェザーレは死亡。ガリガリ博士も居所を突き止められて、過去の恐ろしい論文が明らかになる。夢遊病患者を使って殺人すら実現できると言う恐ろしいものだった。
カリガリ博士が取り押さえられた後は解決したと思ってたんだけれども、ここからがおかしいのよ。なんか結婚式場みたいな雰囲気なのに結婚するとかしないとか言う話になっているし、チェザーレも生きてるし、なんか男が「こいつがカリガリ博士だ」とか言って突然暴れ出すしなんかその博士もカリガリ博士か定かではない。そしたらさっき暴れた男の妄想エンドだったわ。カリガリ博士を追い詰めてると思ったら自分が患者なのよ。チェザーレとかも全員患者だったわけで、妄想に登場したのね。
この作品のハイライトは、なんと言っても白黒と相性のいい舞台美術。なんかシュルレアリスムであったりとか、岡本太郎が作ったような家が立ち並んでいる。街の風景もそんな感じなのよ。
今までの古い映画は「コレ昔の映画ね」とかって言って終わらせてきた。しかしカリガリ博士は今までとは違う衝撃作だわ。白黒で喋りもないから演技が大げさになって、先ほどの舞台美術と合わさって独特の雰囲気がある。チェザーレとか女性の目の周りは特に黒くメイクがしてあって、すごくティム・バートンの先駆けのような雰囲気を感じる。
これは新しい刺激をもたらしてくれた良作ね。とはいえ、テンポが悪いことも確かなので、リラックスして食事を取りながらゆっくり見るのにちょうどいい映画だわ。ごきげんよう〜
