北野武の新作映画がAmazon Primeに登場ということで、かなりの期待値で見たわ。なんと前半は普通のヤクザものの映画で、後半はセルフパロディのコメディになっている2部構成だと言う。たけしにしかできない斬新な構成だ。評価のポイントはこの2要素の対比になりそう。
特にハイライトが2つあるんだけれども、1つ目はお笑い芸人錦鯉の長谷川(私のお気に入り)が出ていたところ。もう顔だけで演技になっていて、いつもの「こーんにーちはー!」のギャグが想像もつかないほどヤクザになっていた。背中にはもちろん錦鯉の刺青。
2つ目はヤクザが売っていた薬の中に混ぜものが入ったというところ。私に言わせりゃ薬やってるやつなんか全員クルクルパーで味なんかわかんないんだから混ぜ物ぐらい入れさせとけやと思ったんだが、割とこれが薬をやってる連中にとっては死活問題らしい。なんだかんだ言っていっちょ前に品質がわかるのね。
いよいよ後半からスピンオフがやってくる。予定していた場所に着替えがなくてタンクトップで帰宅するところや、バーに相手が来なくて閉店まで残るなど、情けなさが際立つ。コマネチも出る。椅子取り大会のトロフィーのくだりで「もっと壊れてんじゃねーかコノヤロー」など、もはやビートたけしになっている。ポイントは、たけしのギャグの切れ味だ。これが、キレがあったりなかったりと品質が安定しないところが少し残念。映画の途中と最後のあたりで挿入されるチャットのような演出は、さすがにちょっとよくわからんかった。
この映画は構成の斬新さの時点で傑作判定の印象を受けるが、娯楽としてみたときには話が別かなと思うわ。前半のシリアス部分はコンパクトにまとまっており、省くものは徹底的に省いてあとから説明する構成で、さすがの北野武という所。後半は、ギャグの品質が不安定であるところが残念。たけしならもっとできるはず。期待した水準に満たない=緻密に設計されていないと言うところから、これは普通の映画かな。ごきげんよう〜
