私デパートへ行ってフォションの紅茶買ってきたのよ奮発して。そんで映画を楽しみましょうという感じなのね。そして始まったんだけど、最初の1カットでわかったのは金銭をやり取りする手元だけが映っている時点で情報量は多そうだということ。爪の汚れとかで怪しさが出てる。
変な箱買った男が体がバラバラになるんだけどその顔のパーツとか内蔵とかが出てきてフォションの味がしなくなる。バラバラのパーツにも何かしらの意図や因果関係を感じさせてただグロテスクなだけには感じないので、この映画は出来が良いのではないかと予感する。
元彼(箱買った)がグチャグチャの状態になって新居に取り憑いてて、こいつのために生きた人間を運ばなければならない女の話なのよ。プロットの時点でもだいぶ面白い。実はこの映画、カメラワーク自体は普通だけど間合いが優れているのよ。1カットの「見ていたい」と思わせる匙加減が一番良いところで次の場面に切り替わる。ホラー映画とは最高の相性ね。
間合いだけじゃなく演出もいい。ぐちゃぐちゃ状態の元彼が感極まったセリフで1歩前へ進み出てライトが顔にあたりぐちゃぐちゃが白日のもとにさらされるところなど、視聴者に伝えたいものがはっきりしていて好感触だわ。また、基本的には紐よりちょっと太いくらいの細長い臓物が浮き出てる系の化物で汁っぽく、視聴者に与えたい不快感の種類がこれまたはっきりしていて好感だわ、フォションの味を奪われたのに。
んで、再婚なのよこの女。義理の娘がいるんだけど、男を連れ込んでは元彼に差し出していくうちに娘にバレちゃうわけ。すったもんだの末元彼の箱を奪って娘が逃げるんだけど、箱パズルを解いてしまうとこの世ならざるものが3体現れる。ピンヘッドを筆頭としてビジュアル的に大変魅力的だけど、物語の活躍をもっと見たいなという匙加減で最終的に退場していく。結局元彼は脱走してきてたということで3人組に八つ裂き(文字通り)にされ、娘が最後箱を手放して終了よ。でも箱は回収されてまた再販売されるんだわ。
演出も手堅いし、間合いと良い化学反応を起こしているわ。ピンヘッドたちが基本的に敵なんだけど味方のような活躍の仕方を一瞬するのもいいわね。キャラクターの造形(美術的な観点)と演出も噛み合っているわ。この美術が画面にパワーをもたらすから、突然3人が現れてもなんの文句もなく見てたわ。総じてこれは良作(★★★☆)だわね。「結局あの箱なんだったんだよ」というセリフを本編終了まで出させない演出と美術の勝利だわ。ごきげんよう~
