ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

アホくさい(褒め言葉)「バタリアン」

なんか骸骨を梱包している会社なのよね。カメラワークは生々しい。棚の間から覗き見しているような感じ。いい感じだわ。

バタリアン

若者たちとその骸骨の会社が交互に映って展開していく。なんか手違いで本物の死体が届いたというので見に行ったところ、ガスを噴射してガスを浴びてしまった。OPはガス管に沿って流れていくカメラワークで、この後の大騒ぎを予期させる不穏なもの。

実はこの映画、ゾンビ物のホラーでコメディなのよ。カメラワークで次にスプレーを使おうとしてるんだなというのがわかる。こういうバレバレ感はコメディらしいわね。漏れたガスを浴びて、半分に切られている犬の剥製が動くのよ。最初むき出しの断面が見えないようになってて剥製がひっくり返ってびっくりする。演出も素晴らしいわ。

何者かが扉を叩く。バン!バン!バン!って3段階拡大して畳み掛けるようなカメラワークといい本気なのか冗談なのか判断がつかないのが絶妙なさじ加減。標本の蝶も羽ばたいてんのね。表現が斬新だわ。台詞回しもいい。ここまで20分くらいなんだけど十分面白いのよ。いよいよゾンビが出てくるんだけど、ゾンビの足が思ったより速くて爆笑したわ。健康な人間が走るのと一緒だから。

さらにガスを浴びた2人がゾンビ化しつつあることが示されるんだけど、個人的ハイライトはここね。「聴診器が故障している」っていう場面なのよ。人間の体温じゃないから故障を疑う、つまりゾンビになりつつあることを示す深刻なシーンなのよね。ここで注目はカメラワークよ。深刻なシーンなのにカメラが顔に寄っていかない、遠くから状況を写しているのよ淡々と。そこで「どういうことです?」でようやく顔によっていって不安を煽る、という高度なことがなされているのよね。これから人間がゾンビ化するってのにアホみたいなことしているような印象になる。

若者の中で勢いで脱いだやつもずっと裸なのよね。ところどころナチュラルにアホくさく設計してあるわ。とにかくゾンビがうるさくて(会話ができる)速い。ゾンビがいないと思って助手席の扉を閉じたら扉の影にゾンビがいたというスリラー演出もあってホラーとしての品質も良い。ただカメラワークとテンポのおかげて間違いなくコメディのそれなのよね。

建物の小窓から外を覗くと祭りのようにゾンビがおしよせている。さっきガスを浴びた2人もいよいよゾンビ化しそうで声を上げて暴れてんのね。だから押さえつけてチャペルの部屋に運び込むんだけど、一瞬映るチャペルの入口の上に”夜明けの小さなチャペル”って書いてあんのよ。暴れる男を運び込むシーンにわざわざこの名称と日本語字幕をつけたということで、アホくさいディテールが凝っているわ。最後はガスが漏れたことをどっかに電話で正直に申告したところ爆弾が打ち込まれて爆発オチになってENDよ。

ゾンビへのアンチテーゼとか逆張りにとどまらない。なぜならアホくさいエッジが効いているから。ここまでちゃんと一貫してアホくさいって結構奇跡じゃない!?これは傑作(★★★★)かつ怪作だわ!この奇跡に乾杯!ただ、最近の高評価の傾向として明らかに霊幻道士(傑作・怪作判定)の流れをくんでいるから、「こいつアホくさい映画だけ評価しよるぞ」みたいになったらいかんなと思ったんだけど、踏みとどまることが出来なかったわ。カメラワーク&演出が極めて良いか、アホくさい映画しか傑作になれないことは確かね。ごきげんよう~

↓アホくさい流れをくんでいる映画

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