ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

リアル志向のギリギリを攻めてる「ビッグ・ドライバー」

小説家の女性テスが車が止まって困ったところに男が来て性的暴行を受けてしまうのよね。そしてその復讐の話。

スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー

冒頭に性暴力のシーンがあるからご注意くださいの注意書き。この気遣いが素晴らしい。心構えして見るわ。開始してすぐにカメラワークが良いことに気づく。

テスは講演会の帰りに主催者から近道を教えてもらう。そしたら変なクギ踏んで車がパンクしちゃうのよね。そこにタイミング良く来た男が性暴力をしてくる。カメラワークと演出が優れてるので、これはつらいわね…。注意書きが必要だわこれは。

とにかくこの映画はリアル志向。演出の良さも相まってトラウマ演出がしっかりトラウマになる。テスが911にかけようとして止めるのもリアル。「この経験を出版するのか」とか、これから周囲が自分に向けるであろう悪意を先取りして頭のなかに描くのもリアル。そんな中で自宅の留守電に犯人の特徴を吹き込む。

さっきの話にもある通りこの物語は主人公が小説家であることへの必然性があるのも良い。自分の作品が支えにもなるし執筆経験で推理するし、頭の中にいるキャラクターが話しかけてくる。しかも必ずしも自分に都合のいい動きをしないのもリアル。

脳内のキャラクターと合意した「とにかく捕まらない」を合言葉に、近道を提案した主催者がグルだと睨んで(実際当たってる)、ドライバーを追うのよ。主催者を殺害。ところが車の中で人が入れかわっていたのに気づかず、間違い殺人をしてしまうのよ!ここが一番びっくりしたわ。このあと、犯人の弟でそいつも共犯だったことも発覚したので大丈夫だったわ。性暴力の写真とかを押収して犯人のアソコを撃って警察の捜査に任せ、自首しないでひっそりと暮らすという終わり方よ。

この作品で感心するのは、性暴力という不快なシーンの嫌悪感が映画として成立するギリギリのラインに調整してあることね。こういうシーンの何を強めて何を弱めるかをたぶん緻密に設計しているのだと思うわ。ただ、これはこれで出来が良すぎてトラウマもんだけど。プラットフォーム(ダメな映画判定)はこれ見て勉強しろって思ったわ。

最後まで明かされなかったけど、やたらとテスに寄り添うカーナビも彼女の小説のキャラクターなのよね絶対。カーナビの範疇超えてるもの。こういうのを隠したままにしておくのも洒落てるわ。

カメラワークがいいからスリラーとしての演出も成功してるし、間違い殺人というどんでん返しにも驚いたし、これは良作(★★★☆)と言えるわね。スティーヴン・キングにはこんな作品もあるのね。いろいろ勉強になる映画だったわ。ごきげんよう〜

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