実話が元になっている話ということで、少し期待値が下がる。実話ベースの映画って出来がイマイチなものが多いのよ。カメラワークはドラマと同じ、喋っている人が画面の中央に来て、複数人の場合は全員が画面の真ん中にちょうど収まるというもの。つまるところカメラワークも平凡。
雪景色が絡んだ時一瞬だけ注目を集めるカメラワークになるわ。遠景をうつして、レゴブロックくらいに人や植え込みが小さくなって規則正しいドット模様のように見えるのよね。ただ、そこだけで盛り返せるほど本編に輝きがあったかというと普通のドラマなのよ。
妻の偽装誘拐を企てて義父の財産を狙う男がいて、それが思わぬ方向に拡大していくというものよ。あらすじだけ見たら面白そうなんだけど、途中で警官を殺しちゃいましたから身代金が跳ね上がって引き返せなくなる、という緊張感がどんどん高まっていくタイプの展開だったわ。展開の面白さじゃなくて緊張感で見せるならカメラワークの密度が高まるとかが必要よね。
そこで、この映画の問題点に繋がるんだけど、演出に抑揚がないのよ。俳優の演技だけで押し切るにはドラマ式のカメラワークには限界があるわ。それにせっかく長編映画なんだからそれに相応しい山場は作ってほしいものよね。誘拐された妻を思う息子の心理とか、警察に疑われ始めた旦那とか、盛り上げる要素はいくらでもある素晴らしい素材なのに。
実話をもとにした系の話が面白くなりにくいのは、カメラワークをちゃんと見る監督がいないからなんだわね。カメラワークが良い映画って貴重だものね。他の部分はそこそこの出来でツッコミどころが少ないのもこの映画の困ったところだわ。
最後は婦警さんが犯人のいどころを突き止めて、それまでに死者数人が出てすっかり誘拐が凶悪事件になって終了よ。コメディに分類されてるけど言うほど笑いどころもないわ。出来が悪くないことはわかるから、まあ普通の映画(★★☆☆)かしらね。ごきげんよう〜
↓実話をもとにした映画で面白かったもの(傑作・怪作判定)
↓こっちも(良作判定)
