ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

美しい!異常な完成度「ガタカ」

オープニングで主演とか名前が表示されてる時点でもうカメラワークがいいのよ。収まりの良い美しさへの探究が見えるわ。そして無機質な未来の世界を示す舞台装置。

ガタカ

遺伝子操作が当たり前の世の中、遺伝子操作なしで普通に生まれた主人公ヴィンセントは差別されて育つ。能力にも限界があるし寿命も短い。でも宇宙飛行士になりたい。そこでエリートの遺伝子を利用してなりすましするのね。

なんかスポーツ選手だったジェロームがいて、彼になりきって過ごすことに。ジェロームはえんえんと遺伝子を提供する共同生活。紹介してくれたエージェントと3人で収入を分け合う。この時点でだいぶ誰も見たことがないストーリーでワクワクよね。

尿サンプル送り機やムダ毛燃やし機といった局所的な使い道のマシンに何の疑問もはさませないパワーと世界観の徹底。

個人的ハイライトはジェロームの登場シーンのカメラワーク。将来有望な選手「だった」という言葉と共に物陰から車椅子で登場、くわえタバコにイエローのライティングが顔に当たる未来感は彼を退廃的に印象付けるのに十分だったわ。ジェロームの将来をヴィンセントが作るのよ。この映画は色彩も美しく、イエローやグリーンの特徴的なライトもそうだが、茶色や黒まで美しい。

順調とはいかず事件は起きるのよ。このあたりでジェロームの上官が殺害され、現場からヴィンセントのまつ毛が出てきてしまう。あとちょっとで土星に行けるのに。けっきょく殺人犯が逮捕されて一安心。しかも主人公を追っている警察が実の弟(遺伝子操作済)だったりするのよね。でもヴィンセントは遺伝子操作なしで弟に体力が勝るエピソードがあるのよ。

血液検査と尿検査以外はヴィンセントの頑張りだもんなあ。年齢的には予定の寿命も超えててほんとに土星行きの最後のチャンス。なのに最後の尿検査でNGとなる。しかし、この無慈悲な映画唯一の情けがここにあるのよ。息子がジェロームのファンだという検査官が検査結果を書き換えて通過となる。これは不可能を超えて1人でここまで来た男の物語なのよ。それが報われる形になったわ。

土星行きが決まったあと、一生分のサンプルをのこして本物のジェロームはムダ毛燃やし機の中に入り自害する。これが土星行きの宇宙船に搭乗するヴィンセントのシーンとの対比になっていて美しいわ。だからオープニングがムダ毛燃やし機からはじまっていたのね。ストーリーの始まりから最後は死に回帰すると。ほんとに美しいわ。

こんな素晴らしい話見られたらもう最高の気分で大満足よ。正統派にストーリーも演出もいい映画は久しぶり。これは文句なしの傑作(★★★★)だわ!今のところ今年一番ね。おすすめよ。ごきげんよう〜

ガタカ

ガタカ

  • イーサン・ホーク
Amazon