交通事故にあった女の子がチタンのプレートを頭に埋め込まれて、その子は車に執着するようになって…という話なのよね。あらすじで面白そうなんだけど、私の予想とは違う方向に行ったわ。なぜならこれはフランス映画だから。
この女は殺人を犯して逃亡生活になるのよ。人相を変えて消防士の男もとへ、"息子"として転がり込む。実は妊娠もしてて、それも隠して生活してたのよね。血液がやたら黒いとか腹部に金属がいつの間にかあるとか不穏な点があったんだけど最終的に出産した子供はチタンの背骨が露出していたわ。子供が生まれた時点で終わるのが斬新なのよ。車に執着して車と交配して生まれた子のようなのよどうやら。
もしこれがアメリカ映画ならアクションかキャー系のホラーになって終わっていたわ。実はこの映画、こんなストーリーなのに1時間半大人しく見せるだけのカメラワークと演出がある。しかもチタンに肉体が侵食されるなどというファンタジーを押し通すパワー系映画だったのよ。
ただ問題点としてこの映画には痛そうな表現が結構あって見るのが大変。でも終わって見るとこの映画という結果までの過程なんだなと納得する。映画に関心がある人にとってはこの映画はめちゃくちゃだけど魅せるから評価されるんじゃないかな。そんなに早送りしようと思うシーンがなかったわ。
個人的ハイライトはいよいよ物語が終わろうという時の盛り上げ方ね。もう出産なんだけど、その一方で消防士の男が火事で死にかけるのよ。しかもなんか火種を自分で起こしてて「何しとんねん」って感じなのね。そんな間抜けなシーンなんだけど物語の終わりへ向けての焦燥を煽り注目を集めるのよ。しかも火事で死なずにちゃんと出産に立ち会ってんのね。でもこれを「なんだったんだあれは」とは言わせないのがこの映画の不思議な力なのよ。
演出やカメラワークが無茶のあるストーリーと調和してパワーを生んでいるんだわ。単にカメラワークや演出の良さでゴリ押ししているだけの映画とは考えにくい。ただ一方で刺したりとか痛そうな演出があるし困ったもんだわ。人にはお勧めできない映画なんだけど、この映画は良作(★★★☆)であることは間違いないわね。痛みのある表現が視聴者の精神の高揚とかに結び付く領域まで高められたらこれは傑作だったわ。ごきげんよう〜
