治安の悪い地区のバーバーショップの話なのよね。近くの店でATMが盗まれる話と、バーバーショップを継いだ二代目が経営難に直面する話が並行するのよね。
バーバーショップでは主に黒人の店員と客たちの会話が繰り広げられ、その会話の真っ只中に巻き込まれたようなカメラワークなのよね。黒人歴史特有の話などもあるが、それぞれキャラクターの知識量やバックボーンが違うから、ついていけない話でもなんとなく聞いていられる。終盤以外はほとんどの場面だ誰かしらが何か喋っているという密度の高さ。
二人組がアパート外階段をATMをかついで必死に登ってたところに横幅いっぱいの超巨漢が降りてくるのよね。一方バーバーショップでは子ども客の頭にハゲを作ってしまう珍事が。すると「101匹わんちゃんも同じ模様だ、お前が102匹目だ」などと言われてしまう。ここでこの映画のコメディの方向性やセンスが確認できたわ。
話が進めどATMの中身を開けることができない。男たちはモーテルに運び込む。ここから個人的ハイライトだけど、運んでたもう1人が5ドル貸してた相手を見つけて追いかけて居なくなりそうになったのよ。必死に引き留めて「なにが5ドルだ、モーテルに5万ドルあるんだぞ」と言った瞬間に視界の外から「パッパー」 ってクラクションが聞こえてくるのよ。このタイミング、このクラクション演出によってこの2人がいかにアホくさい目にあっているかが引き立つわ。芸術的でさえある。おまけにあのATMは新品で金が入っていないらしいことがバーバーショップ側で発覚する。
経営難から高利貸しに金を借りていたバーバーショップの主人だが、金を返す決意をする。しかしそのまま(2万)ではなく4万返せという。約束を覆す高利貸しの背中を映すカメラワークも秀逸。バーバーショップ閉店の危機に陥るが、ここでようやくATM泥棒事件が重なって犯人と高利貸しを一網打尽にして終了よ。
この終盤には店員たちや主人の人間的成長がつまっていて、ほとんど誰かが喋っている中盤とも良い対比になっている。この映画は「星の王子 ニューヨークへ行く2(普通の映画判定)」でも言及されているから気になってたんだけど、語り草になるだけあるわね。バーバーショップをテーマとした客と店員のリアリティ、特に治安の悪さに裏打ちされた世界観が拍車をかけるわ。これは良作(★★★☆)ね。軽快なトークの妙を存分に味わったわね。ごきげんよう〜
↓バーバーショップに言及していた映画
