ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

ウィル・スミスを置いただけ「素晴らしきかな、人生」

広告社社長のウィル・スミスがいるんだけど、子どもを亡くして抜け殻になったのよね。そこから自分の置かれた状況に気づいてほしいとかで会社の連中が仕掛けることになる。ウィル・スミスがよく口にしていたフレーズ「愛と時間と死」に手紙を出していたことを利用して、知り合った演劇俳優に芝居をしてもらうことに。

素晴らしきかな、人生(字幕版)

まず嫌な予感がするのは、カメラワークが大したことないのよ。オープニングではウィル・スミスが積み上げたドミノを倒すシーンがあるんだけど消沈や狂気など負の感情を象徴するのに何のパワーもない。ドヤ顔でドミノを映してるカメラ連中の顔が頭に浮かぶようだが、一番頑張ってるのはドミノを積んだ人だけだろ!

次に、いわゆる「大人が話してるだけのシーン」が多いなと感じる。あと、世間はクリスマスなのにクリスマスとウィル・スミスの消沈の対比ができていないとか、不穏なところは探せば探すだけあるわ。いよいよ演劇団と広告社の連中の対話、話の転換点なのにぜんぜんワクワクしないのよ。それどころか話している人をA→B→A→Bとなんのひねりもない愚かなカメラワークで映す。

愛と時間と死とか、人の命とかの哲学的ワードが出てくるのにセリフが平凡すぎて何も心に刺さらないわ。なんなら私もこないだ死線を乗り越えてきてそういうのを感受する準備はできてる方なんだけど、つまるところスープが絡んでない麺を食わされたわ(ド直球)。相談する前とした後でカメラワークに変化がないのも、薄いキャラクターをさらに薄くしている。何を経験したんだよこの場で。演劇パートとそれ以外で劇的にカメラワークが違うのも最初の「死」を演じた老女のところだけ(これもカメラワークというより屋外なのがデカいだけ)というのもかなりがっかり。

最終的に翼の会みたいな人と相談してたんだけど、それが妻であることもわかったわ。伏線がどうこう以前に、なんか驚かそうと思って投げやりに入れた展開に見えるのよね。演出があまり良くないのと悪い化学反応が出てるわこの展開。亡くなった娘の名をウィル・スミスがようやく口にできるようになって2人で帰っていって終了よ。

実はこの映画が終わった後に映像特典がついていて、出演者や監督がこの映画がいかに素晴らしいか熱弁を振るうのよね。これは寓話なんですとか。死というテーマをクリスマスという舞台で語ることには大いに意味があると思うんだけど、それ以外はなんかこれ本当にこの本編で合ってるのか、取り違えたんじゃないかと思うくらい出演者と視聴者の間には温度差があったわ。出演者が語る「優れた映画」はどこにも存在しないのよ。

そんなわけで、ストーリーは意欲的なんだけどただ演出が極めて悪いダメな映画(★☆☆☆)という感じだわ。演出が悪いと何も伝わってこないのよね。一番びっくりしたのは「プラダを着た悪魔(未レビュー、良作判定)」と監督が同じだということ。これの撮影のときに腹でも壊していたと信じたいわ。ごきげんよう~