主人公の運転手・フランクは、今は子どもの送迎の仕事を受けているようだ。子どもとの会話からはルールにのっとり車を大切にする厳格な様子が伝わってくる。両親が夫婦喧嘩している様子を車から察すると子どもになぞなぞを出す機転や知性と、キャラクターの特徴・魅力を最序盤で描ききっている。注射を嫌がる子どもの説得もするんだけど、フランクでなければできないやり方だわ。キャラが立っている。
今回の敵は複数人、特にハイヒールを履いた派手な女が特徴的。病院のスタッフに扮した際の場違い感を足元からのカメラで演出したり、車の下からハイヒールが歩く様子を映すなど、悪役を盛り上げるカメラワークもバッチリ。今回は子どもを狙われて、やむを得ずハイヒール女を載せて警察とのカーチェイスをするんだけどそのやり方も前作ともかぶらずに魅せる。特にビルからビルへ飛び移るところや酔っぱらいが見上げるビルの谷間をまたいで車が走行するシーンはパワーがあるわ。
とうとう子どもを誘拐され、逃げられる。両親には身代金の電話がかかるわ。フランクは仲間の協力のもと、一味の行方を追いかけるが、その中で子どもに注射された薬のことが気にかかる。
今回のポイントは、前回のようなグレーに近い仕事をしているダークなヒーローではなく、子どもを救うという善人属性のフランクの姿が視聴者に鮮烈な印象を残せるかどうかにかかってるわ。結論から言うとそこはいまいちだったのよ。なぜなら倒されるための敵に立ち向かって偶然目的を達成したようにしか見えないから。
子どもがあっさり助けられて本当の標的は父親であることが発覚し、注射された子を通じて24時間殺人ウイルスがばらまかれる。それを麻薬サミットでばら撒くことが目的だったのよね。いよいよ目的が明らかになった以上キャラクターの魅力とアクションの魅力だけで戦わなければならない。ところが、犯人は演出こそ良くても作り込まれていないから「倒されるための敵」の領域を出ないのよ。アクションも消防ホースのくだりはちょっと冗長に感じる。
解毒薬は犯人が服用して体内に入れて持ち運ぶから殺さずに倒さなければならない。プライベートジェットで逃げられたところを車で追いつき、パイロットが撃たれて偶然水面に墜落、沈む中から犯人を救助してその後は解決、フランクに新たな仕事の依頼が舞い込んで終了よ。
薬を犯人が運ぶならいかに殺さず流血させず、というところを工夫するかと思ったけどただの拳銃のない戦いだったことが残念。脅してフランクに解毒剤を運搬させたほうがまだ駆け引きも出そうなもんだが…。わりと前半期待大だったのに、後半失速したわね。単品ならギリ良作だが、前作との相対評価をすると普通の映画(★★☆☆)と言わざるを得ない。やはりプライベートジェットが水上に偶然墜落するのが良くなかったわね。フランクの知性だったらそれくらい自分で切り抜けられそうだわ。ちょっとフランクの魅力にあぐらをかいた感があるわ後半。そんなわけでちょっと複雑だけど、ごきげんよう~
