ここ数日のクソ映画ラッシュに終止符を打ったのはパパだった!前作(傑作判定)とは監督が違うんだけど出来が良いことがカメラワークから伝わるわ。
相変わらず娘を溺愛してて過保護なパパ。キャデラックでの縦列駐車で免許を取らなければならない娘。最近彼氏ができたのだが、パパが大至急居場所を突き止めてやってくる(CIA仕込み)ので娘とは険悪な雰囲気。
パパがイスタンブールで仕事をしている関係から娘と元妻が招かれて合流。家族仲の描き方も丁寧で物語へ没入できるわ。ところが、前にパパにボコボコにされた組織が復讐のため動き出す。街を追いかけっこするんだけど、イスタンブール特有の情緒や混雑、路上演奏家や路地の狭さなどその土地必然の要素がふんだんに盛り込まれている。
今回の決定的なシーンは前作の印象的なシーンをオマージュしている。前作では攫われる娘にパパが冷静な電話をしていたが、今作ではパパのほうが誘拐されるのよね。娘にすべきことを冷静に電話で伝える。
今回は娘が隠れてやり過ごし、パパを助けるという流れ。パパは娘に手榴弾を炸裂させ、音から現在地を割り出すという超人的なことをやってのける。このあと娘と合流して、娘の運転でアメリカ大使館へ向かう。前作はさらわれるばかりで、かつそのトラウマも持っている娘が今回頑張るのよ。でもあくまで「巻き込まれ」の立場で、冷静なパパに命じられるままアクセルを踏むという立ち位置がリアル。誘拐犯に囚われている元妻も気丈に振る舞っていてキャラクターに奥行きが出てるわ。
娘を大使館に保護させたあと、最終決着をつけるべくパパはアジトへ向かう。そして元妻を救い、銃を置き、組織の長に田舎へ帰るようにいうのよね。残された子や孫と暮らせと。ところがそいつは立ち去ろうとしたパパを背後から撃とうとするのよ。こいつの意思は確認できた。弾は入ってなかったのよ。パパはとどめをさしたわ。最後は3人家族で仲良く出掛けて、さらに娘の彼氏が再登場するというある意味緊迫感のあるシーンで終了よ。
サービス精神のあるカメラワークと早いテンポ、イスタンブールの風景をはじめとした場面の情緒を盛り上げる丁寧な面づくりで、快適な視聴体験となったわ。パパが手榴弾の音から現在地を突き止めるという超人的なことも納得して見てしまう。パワーがあるかというとそうではないんだけど、カメラワークやテンポのなせる技ね。
ただ一方で、揉み合ってる時にカメラが忙しなく動きすぎて何やってんのかわからないところはちょっと残念だったわ。あと、前作の設定からして仕方ないんだけど、敵はいわゆる「倒されるための敵」の範疇を出ないわね。「女性を売り飛ばすために誘拐に励んでいた息子が殺された!」って親父が怒って今回の復讐を企てたんだけど、お前は何を言ってるんだってなるわよね。仮にこのキャラを押し通すならもっと狂気が必要だわ。冷静に殺しをすることと狂気を二律背反だと監督は捉えている気がするが、ここは両立させるべきよ。
総じて、丁寧な演出でスピード感がある映画に仕上がっているし、前作とかぶらない展開で盛り上げてキャラクターの深掘りもできている、正統進化を遂げていると言って良さそうだわ。ただ、前作のパパの狂気(執念)は薄れて出来の良いCIA系アクション映画という範疇におさまる。これは良作(★★★☆)だわね。ごきげんよう〜
↓前作(傑作判定)
