プロットを見るとかなり面白そうで、昔見たいと思ってた映画だったのよ。ようやくAmazonで出会ったわ。
屋根から落下して夫を亡くした妻とその子供。航空機で祖父母の家に向かうところだったのよね。ちなみに航空機の設計かなんかをやっていたらしく内部構造にも詳しいらしい。棺も一緒に運ばれている。
母が眠っていて目を覚ますと娘がいないのよ。飛行機を探して娘がいないことが明らかになっていくたびに焦燥を煽る演出が光る。このあたりで良作の予感がしたわ。ほんで係員に確認したら搭乗記録がないとか言い出すのよ。荷物も消えている。母親が機長を引き摺り出して話して必死に駆け回るんだけど、これじゃまるで母親が狂ってるかのようだ。果たしてどっちなのか。
あと航空警察の男がいるんだけど、こいつが母親の言うことすぐ否定してかかるからムカつくのよ、殺したろかなって思いながら見てたわ。それで母親は騒ぎすぎたって理由で拘束される。唯一手錠が外れるトイレで、天井から機械室に行くも後一歩のところで引き戻される。
このあたりで、やはり航空警察野郎が母親を犯人に仕立て上げ、巧妙に身代金を請求し始める。なんとX線検査のいらない夫の棺を利用して爆弾を持ち込んだのよ。とうとうクライマックスで飛行機は着陸し、犯人と一対一。この野郎を消火器でガツンと一発殴ったところは胸がスッとするわね。こういうカタルシスも物語の中にしっかり組み込んでてやはり出来が良いなと再確認したわ。
航空機の中で追いかけっこしながら娘を探すわけだが、またこのカメラワークが巧みなのよ。鏡が効果的に使われていて緊迫感があるわ。物陰から敵が出てきそうなのよね。母親は犯人をやっつけて娘を救出、あいつが娘ごと吹っ飛ばすつもりで仕掛けた爆弾を炸裂させて気持ちよく終了よ。あとで飛行機の中で揉めた人が優しい描写を入れたりとか、話を綺麗に片づける心意気が見えるわ。
これは面白かったわ!カメラワーク、演出、最後までどう展開するかわからないプロットといいかなり高いレベルでまとまってるわ。飛行機という狭い舞台でこれほどに面白いのね。ただグラン・トリノのような傑作ほどには没入がなかったことからこれは良作(★★★☆)だわね。ごきげんよう〜
