ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

巧みなフェイント「マッシブ・タレント」

ニコラス・ケイジ(ニック)が本人役で出演、過去作にも言及される。俳優として落ち目で家庭もうまくいってない中、富豪のパーティーに行くだけという高額の仕事が舞い込むのよ

マッシブ・タレント

前半はニックの独りよがりが演出されているわ。自分の趣味を娘に押し付けたりする。なんてったっておすすめ映画がカリガリ博士(良作判定)だというのだから娘も大変だわ。あの歳で見ようとは思わんわね。

パーティーで知り合った富豪ハビはニックの大ファンだという。映画の話で意気投合し友情が芽生え、一緒に作品を作ろうと盛り上がった矢先、CIAからコンタクトがある。ハビは武器カルテルの一員で、とある国の選挙妨害のために女の子が誘拐されたそうなのよ。お屋敷のどこかに隠されているという話に。ここからバレるバレないの駆け引きが出てくるから話がグッと引き締まってくるのよ。引き締まるまで視聴者を画面に繋ぎ止めたのもカメラワークのなせる技ね

この映画のポイントは「フェイント」ね。お約束が起こりそうで起こらない、しかもバリエーションが結構豊富で見てて飽きないわ。ニックが少女の隠し場所と思われる扉を見つけたが、「そこを開けると後戻りはできない」みたいにハビに忠告されるのよ。覚悟して開けたら、あたたかいBGMとともに美術館並みのニックのファングッズコレクションが出てくるのよね

そんな中、この危険な屋敷にニックの家族が呼ばれてしまい大ピンチ。その一方で、ハビは武器カルテルの実行犯であるいとこと会話をし、いとこが少女を誘拐したと知る。「あの役者はCIAの手先だから(盗聴済み)始末しろ」と言われちゃうのよね。

ニックとハビは2人でどっかの畑に行って撃ち合いかと思ったところ、2人まとめて追われる身となるおまけにニックの娘も誘拐されてしまう。そこでニックは妻の特殊メイクの技術で重要人物に化け、いとこへの接近をこころみる。なんとか女の子と娘を救助し大使館まで逃げ切ったニックは人質に取られるが、娘が投げてよこしたナイフで窮地を切り抜ける。それからしばらくして、ハビとの合作映画が無事公開されたわ。家では成長したニックが家族で仲睦まじく娘のリクエスト映画を見て終了よ。

カメラワークもテンポも良いし、特に最後にかけての盛り上がりが素晴らしいし、この話を構成するフェイントのおかげで単調にならないわね。メイン2人のキャラクターとストーリーの作り込みのバランスがいいと思うわ。終わり方も気持ちよく、おすすめできる良作(★★★☆)。本作はハビとの友情・ニックの成長がメインで、娘との絆がもう少し丁寧に描かれたら傑作だったわね。ごきげんよう〜

マッシブ・タレント

マッシブ・タレント

  • ニコラス・ケイジ
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