ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

なんなのこの人生「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」

この映画は2作目。1作目は友人と劇場で見たんだけど、なんでこんなかわいそうなおっさんの話スクリーンで見なきゃならんのと思ったわ。おっさんが人を刺し殺して刑務所に入ったところから話は始まる。裁判を控えてるのよね。

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

弁護士と話をして、別人格がやったという話にしたい。そんな折、刑務所の合唱クラブでヒロインと出会う。この辺で思ったけど、カメラワークは悪くない。親密になっていって刑務所の中で過ごして、脱走未遂を起こしたりなどしていた。このときの炎の中でヒロインとキスする絵面がよかった。

ヒロインを始めとして、ジョーカーの根強いファンっていうのが刑務所の内外あちこちにいるのよね。物語のこの時点では悪に走る恋が描かれているような印象。刑務所の中という空間や人物の狂気もしっかり演出されている。

いよいよ裁判ね。本編はミュージカルが時々入るんだけど、歌詞がストレートなのでわかりやすい。裁判所からジョーカーのソロ曲への入り方はとても良い演出だったわ。おっさんは冴えない男だけど、裁判所の外の世界は熱狂して追いかけてるのよね。

2日目はメイクして出てきた。法廷侮辱罪の一歩手前の緊迫感。かなりジョーカーみが出ている。その狂気の一方で、かつて仕事をした同僚は、「彼は私の容姿をただ一人笑わなかった人だ」とも言う。不思議な感情を起こさせるのに十分な演出だと思ったわ。なにか助かりそうな、助かってほしい感じよね。

最終日には「ジョーカーとして出たかった」と言うのよ。そう言うくらいだから、素の自分になっちゃったのね。そのあと法廷は爆発。過激派が報いを与えたらしい。素のジョーカーを見たヒロインは幻滅して離脱。刑務所へ戻ったおっさんは周囲から幻滅され、過激なジョーカーファンから刺されて死んで終わりよ

なんなのこの人生と思うわ。ジョーカーもさることながら、ファンもそうとうやばいわね。でもこれを最後まで見させる絵面と演出がこの映画にはあったわ。「狂気」という中心概念と演出が噛み合っていたのね。とつぜん入るミュージカルもいいアクセントになったんだわ。助かりそうで助からない演出も言う事無し。悪さはマイナスに向かって突っ走ると思ったらゼロで止まったんだわ。これは良作と言えるわね。ごきげんよう~

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ

  • ホアキン・フェニックス
Amazon