ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

行って帰った気になる「スタンド・バイ・ミー」

なんか死体があるらしいことを嗅ぎつけた子供らが4人揃って見に行くのよね。線路伝いに。

スタンド・バイ・ミー

この作品の特徴の1つは、子供がやってますから感だわね。死体を発見したら勲章がもらえるとか言う飛躍の仕方が面白い。序盤では正直それぞれ悪ガキだから本当か嘘か、信用できるかできないかわからないところがあったわ。

2つ目はノスタルジックな演出。カメラワークとしては自然と人とのバランスが良くて、子供時代の夏休みといったところのノスタルジーを演出している。ただ、テンポはちょっと退屈なくらい。

野宿で一夜を明かすんだけれども、焚き火の中で話している給食費の話も結構深刻で、子供にそんなことを話させる環境っていうのもなかなかのものだなと言うところ。主人公は翌朝鹿シカに出会うんだけれど、そのロマンを自分の胸に秘めておくと言うのも、とても子供らしくていいわね。

肝心の死体を発見するんだけども、その頃にはもう好奇心みたいな気持ちが吹き飛んでるのよね。それを見て兄の死を思い出したりとかしている。登場人物の心の動きとかは行動や発言で明確に描かれている。

死体をめぐって近所の悪ガキどもと対決して、拳銃を持ち出したことで追い払い、結局匿名通報をしてたわ。そして街に帰ってくると、街の風景がとても違って見えたって言うんだけれども、それを1回も行きも帰りもしなかった視聴者によく味あわせたなと思うわ。子供達の印象も初回とは明らかに違っている。

ちょっと話が退屈でテンポが悪いところもあるんだけれども、この作品からしか得られない雰囲気や映像体験というのがあるのはすごくよくわかる。なのでこれは良作と言っていいんじゃないかな。ごきげんよう。