香港になんで海賊がいるのよと思ったら、歴史的な背景がそうだったのね。イギリスの領地だったのね。そこでドラゴン率いる沿岸警備隊が仕事をするんだけど…。
【主要人物】
・ドラゴン(ジャッキ・ーチェン)
・フェイ(サモ・ハン・キンポー)
アクション映画ということで、それに付随してテンポは良くなっている。カメラワークもとにかくアクションを見せるためのものになっている。
前半はドラゴン隊長が沿岸警備隊としてうまくいかない様子などを書いている。一度沿岸警備隊は消滅して警察に吸収合併されるが、後半から復活、海賊に囚われた仲間を助け出し敵を倒すプロジェクトAが発動される。ドラゴンとは旧知の仲の盗賊フェイも加わる。そしてアクションしてプロジェクトAは成功して終了よ。
個人的ハイライトはやはり時計台アクション。約20mの高さから人が飛び降りるなんて信じられないが、これがより一層映画の迫真性に磨きをかける。序盤の自転車での路地裏アクションもポイントで、狭い路地にハシゴにそこで暮らす人々もステージのやくものとして登場する目まぐるしさが楽しい。
一方、見せ方の割り振りはそれほど上手じゃない印象。一つの話ではなくて複数の別の話が一つになっているような場面のバラバラ感を感じる。あと、せっかくのジャッキー映画なのに、アクション以外のシーンで視聴者を画面に集中させるパワーがない。変なじいさんが麻雀をしてるシーンとかなんだったんだあれは。
上記に通じる話として、個人的にコメディ部分とそれを引き締めるアクションのバランスはあまりよくなくメリハリがないように感じるわ。ジャッキー最高傑作との呼び声も高い本作だが、私は個人的には同時期の香港国際警察の方が好みで、アクションとコメディのバランスがまだ取れていたような気がする。香港国際警察と比較すると洗練されていない印象だが、逆にこれが野心的な構成の元になっているとも言えるわね。
この映画は考えれば考えるほど難しい気がするわ。考えずに肉体で観たほうが良いのかも分からん。ただ一方で、血眼で画面に集中させるような構成ではなかった。大好きなジャッキー映画を普通の映画判定などしたくないが、これはバランスが悪いことと良作アクションを総合し、なおかつジャッキー映画への高い期待値から考えて普通の映画かなあ…(苦渋)。ごきげんよう~
