ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

ピンクのゾウもすごい「ダンボ」

小さい頃見たことがあるが、海外版のVHSだったためセリフが分からなかった。サーカスの子ゾウの話ね。

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この世界ではコウノトリが赤ちゃん運んできてんのね。それにしてもゾウのケツのでかいこと。母のところに子ゾウがやってきたわ。そしたら大きい耳なのよ。この耳のせいでダンボと呼ばれていじめられるようになる。畜生の世界でもいじめがあるのね(直球)

ダンボはサーカスの象なので、列車がある地点についたらテントを張るんだけど、そこで流れる労働者の歌が夢も希望もない。人が寝てるときに働いて給料もそんなにもらえないみたいなことを歌っている。おまけに働いているのが黒人労働者という闇もなかなかものもだわ。金曜ロードショーに上がらないはずだわ。

作品のポイントは生き生きとした動物とその愛情表現。母はダンボを大きい耳でくるんで世話したりしている。ダンボと母が水浴びをしていて、耳を洗うシーンはとても愛情が伝わる。動物だけでなく電車の動きもとても有機的。ほぼ全編で音楽に合わせてキャラクターが動くといった感じ。

ただ、作品の所々に暗転する部分があって、そこはなんか中途半端なのよ。もしかして何か見せられないものが入っているのかな?それとも単に当時の編集技術でこんなものかが不明。中盤でネズミと合流。ダンボより小さいのに大きい動物に立ち向かう善人である。孤独なダンボのパートナーとして活躍する。サーカスではダンボの初舞台があるが、ゾウのピラミッドなどというむちゃくちゃな演目が行われる。ゾウの重量感とか動きの重さがほんとによく表現されている。重そうだけどピラミッドになる無茶がまかり通る絶妙なバランス。それでいじめの主犯格のお局ゾウがピラミッドの一番下でけっこう体張ってるのよ。「ゾウは誇り高い種族だから」とか言ってたけど、それを言うだけある体張りだったわ。最終的にピラミッドも崩れるから、いじめの制裁を受ける前にひどい目にはあってるのよね。

個人的ハイライトはピンクのゾウ。ダンボが酒入りの水を誤って飲んでしまって、ピンクのゾウって言う幻影を見たのよ。ピンクのゾウが連想のように次々と様々な形やビジョンに切り替わっていき、控えめに言っても正気の人間が描いたとは言えない上にかなり尺を取ってある。その幻影を見たのちに木の上で寝ていたダンボは、そこから飛べることを自覚し、サーカスの大スターとなりネズミともども出世して終了よ。

ゾウの話というストーリーも珍しいながら、ピンクのゾウしかり映像体験が優れている。だから言語がわからなくても繰り返し見てたんだわ幼少期に。特に、サーカス動物と親子という世界の軸が出来上がっていて作画と噛み合っている。ゾウの体でできるあらゆる愛情表現がされていて、動物がとても生き生きと描かれている。これは良作ね。ごきげんよう〜