ステキな4コマ

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作り込まれた話と魅力的なキャラクター「侍タイムスリッパー」

Amazon Primeに来ていたので早速見て、評判通りの良さだわ。タイムスリップしてきた主人公の成長物語に、ほんの少し爽やかなロマンスも入ってる。ストーリーは、侍がタイムスリップしてきて時代劇の斬られ役として出世していく物語よ

侍タイムスリッパー

また、斬られ役を始めとした映画に関する世界観と、侍のキャラクターの作り込み、ライバルの存在などの要素を全てをちゃんと回収しきるところも、丁寧な作り。「侍タイムスリッパー」とは、主人公だけを指す言葉ではなかったのね。場面や場所は多くないけれども満足感があるのも、この丁寧な作りに由来してるのね。

話の前半部分ではライバルが不在にもかかわらず、主人公のキャラクターの魅力だけで魅せていく。ケーキを食べて「日の本は良い国になった」など素晴らしいリアクションをとる。後半はライバルの侍が現れたことによって、人を斬るということや、戦いや命に向き合う話になっていく。映画の出来と生き死にのやりとりはそれぞれ正比例するので、そこが侍たちのジレンマになっている。さらに、一度時代劇から逃げたライバルの成長を主人公が牽引するという組み立ても素晴らしい。

ラストは真剣で斬り合うことで映画のリアリティを追求し、侍時代の決着もつける。これを経て「命に対する賛歌」というのがこの映画のテーマと読み取ったわ(勝手に)。そして最初と全く同じ絵面(撮影所)に回帰するんだけれども、それで主人公たちがどれだけ成長を遂げたかが浮き彫りになるからとても良い演出だと思った。そして向こうの世界の侍の相棒もタイムスリップで出てくると言うオチで、話の続きを予期させて終了よ。

カメラワークは普通な気がするけれども、お話の作り方が丁寧。その中でキャラクターが生き生きと動くというところで魅力的な映画だったと言える。侍が斬られ役を演じる必然性、ライバルと出会う必然性など、とにかく必然性を作り込んでいるという観点でかなり手堅い映画、良作だわ。安心して人におすすめできるわね。ごきげんよう〜