有明四季劇場に行って劇団四季のライオンキングを見てきたわ。最初、サバンナみたいなとこで2時間もどうやって持たせるのかと思ったけど、結果として持ってるもんだから不思議な話。ライオンキングは本当に序盤を宣伝で見たことがある程度。

舞台の右と左にはそれぞれドンドコドコドコ系(=アフリカ系)パーカッションが配置されている。まず出だしからいつもの曲(サークル・オブ・ライフ)がかかって、王様ライオン(ムファサ)に子供が生まれたんだよね。それのお披露目みたいなことを行う。ここはほんとに映画と一緒。ここで感じたのはすごく有機的だと言うこと。それぞれの動物が違った動きをしている。それが何十匹も集まっていると言うところで、そこに力強さとか生命エネルギーを感じるんだろうなと思った。そして最後のドーンとともに暗転するというガッチリ締まった演出が素晴らしい。
シンバという王子が誕生した一方、シンバの叔父は王になれないことが確定する。でもハイエナどもとつるみながら虎視眈々と機会を伺ってたのね。そんな叔父にそそのかされてシンバは危険な場所に立ち入ってしまう。その結果としてヌーの群れに突っ込んだ父が命を失うことになり、父殺しの運命を背負って失踪することになる。
シンバは逃走先で出会った仲間たちに「ハクナ・マタタ(気にするな)」と言う概念を教えられて立ち直るも、その概念を自分に都合よく解釈し、王という使命からは逃げていた。しかしその時、シンバを生まれたときに拾い上げたあの有名なおヒヒ(雑)が目の前に現れて、水面に映った己の姿をシンバに見せる。そこに父の姿を見出し、王としての運命を自覚しシンバは覚醒する。群れへと戻り、叔父と最終決戦にのぞむ。そして勝利し、幼なじみとの間に子供を設けて最初と全く同じ演出で終了よ。
個人的に1番好きなキャラクターはムファサ。とても威厳溢れる演技がカリスマを感じさせる。さらにムファサは成長後のシンバの物足りなさを感じさせる位置づけも持っていた気がする。王の自覚に目覚めるきっかけも担っていて、それでライオンキングが完成してゆくのだなと思うわ。次にシンバの幼馴染の女の子も良かった。これは子役と大人がいるんだけどでもどっちもよかった。凛とした鋭い歌唱・演技で舞台をきりりと引き締めていた。
今回のハイライトはオープニングの他にはいわゆる「人殺し」のシーンだわ。シンバが父を間接的にも殺す要因となったことを叔父がこう呼称し、群れから追い出したのよ。「人じゃねーだろ」と思うんだけども、「ライオン殺し」って言うと途端に面白くなってしまうから、そういうわけもいかないんだろうな。
さらに、お笑い芸人・大西ライオンの元ネタ「心配ないさー」がわりとそのままだった。シンバは「ハクナ・マタタ」の曲の最中に子供から大人へ成長し、大人となったシンバの第一声が「心配ないさー」なのよ。たしかにこの明るさをもってして自分が直面している業務とかも心配なくなってきたわ。
今回は様子見ということもあって安い席で上から見たのよ。演出に興味のある自分としては、舞台装置がとてもよく見えたのが本当によかった。せり上がり・回転・傾斜などさまざまあって、これ法律で建築物とかになるんじゃないかという凝った装置だった。さすがライオンキング専用劇場。これを踏まえてS席から見てみたいなと言う気持ちもある。
さぁ退場ですと言うところでぞろぞろ退場していくわけなんだが、私の後ろの女の子が「アラジンより面白かった」って言ってて、逆にアラジンが気になってくるわ。あと幕間のトイレのマネジメントがすごく良くて、さすが劇団四季で所有してる劇場だわ。入り口と出口が別々になっていて入ったら一方通行になっていて誘導の人もついているのよ。だから数十人並んでようがあっという間にさばけて安心してトイレに並べるわ。こんなわけで、総じて楽しいライオンキング体験になったわ。とりあえず次はアラジンかしらね。ごきげんよう~
