なんか戦時中で疎開していく家の子供の話なんだけれども、父親が再婚して義理の母がいる。その義母が行方不明になって探しに行くと言うものになっている。
中盤から雰囲気が変わってきて、アオサギが主人公を塔へと誘い出す。塔の中へと入って行ってミステリアスになってきて映画が楽しくなりそうな雰囲気が出てくる。
塔の中から別世界に入るんだけど、元の世界を上の世界、塔の中を下の世界と言う呼び方をしていて、上の世界では神隠しにあったことになっている。火災で亡くなったはずの実母も全く別のキャラクターとして登場する。
実母の手引きで義母が助けられる。でも塔の主の大叔父が後を継いでほしいとか言ってくるのよ。主人公は断って逃げ出して、塔が崩壊する前に逃げ出して元の世界へ戻って終了よ。
こんだけ見てびっくりしたのは、話の軸としては義母を探すだけだったんだよね。そんなにシンプルなのに見てしまうのが、やっぱりジブリの絵作りにあるんだと思ったわ。例えばラスト付近にインコが家財道具を持ち出して逃げる準備をするドタバタのシーンがあるんだけれども、画面の端から端どこまで見ても、それぞれのインコが特有の動きをしているんだよね。絵に命を吹き込むと言うのはまさにこういうことなんだなと思ったわ。
ストーリーはシンプルだが設定は複雑。しかし劇中でキャラが設定を明確にセリフとして発言するので、わかりづらさはそれほどない。ジブリ映画で難解なイメージがあるのはハウルの動く城なんだけれども、ハウルほど難解じゃない位置付け。
それにしてもあんなにやりづらそうにぎくしゃくしていたのよ義理の母と。それが命を投げ打って助けに行くなんてあんたそんな決断して思うところないのって思うんだけれども、それを押し切ってしまうのがこの作品のパワーであり、絵の力よ。
これに限らずジブリ映画は全体的に心象描写を抑えてすべてセリフに表し、圧倒的な絵の力で押し切るパワータイプよね。その絵のパワーがストーリーと噛み合ってて楽しく見たが、ラピュタみたいに何回も見たくなる感じのパワーではないかな。総じて良作ね。ごきげんよう~
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