何十年ぶりかに映画館に見に行ってきた。これは高く評価されているとGoogleのニュースフィードによく出てくるもんだから、見極めに行ったわ。ヤクザ系の話なのよね。本作の魅力的なポイントとしては男くささがある。ヒロインもいなくて、とにかく男たちが話を進めていくのはアクション映画との相性もあって素晴らしい。
やはりなんといってもポイントはよく再現されてる(と思う)九龍城。街の狭さとか汚さとかその中で人が生活をしている様子をとてもワクワクするように描いている。ストーリーはや演出はかなり分かりやすくてお子様向けかと思うほどの親切設計。
そしてストーリー前半では主人公が仕方なく九龍城=ヤクザのシマに迷い込んでそのまま住み着くんだけれども、そこであたたかい人情に触れていく。終盤は、親分の兄弟分の宿敵の息子が主人公だと発覚し、戦いの火種となる。親分との関係性が魅力的だったので、親分を失ってからのアクションはやや冗長かなと感じてしまった。後半は九龍城情緒が薄れてくるのよね。そんなわけで、前半と後半で監督が別かと思うほど評価が分かれるのよね。
特に、終盤で主人公が負けてしまうところがあるんだよね。そこで話が停滞するようなイメージになっている。敗北は良いが意味のある(必然の)敗北が求められるわね。終盤の強敵と戦ってる時間が長い上に、敵の間抜けな行動(刀をのみこむ)のおかげで勝利するのも評価が分かれる。たしかに強さゆえの慢心はありそうだが…。
最後、敵を倒して仲良し4人組で夜明けの街を見守るって言うところはとても気持ちが良いもので、九龍城はいずれ潰れてしまうけれども、おそらく4人の結束はそのまま残っていくんだろう。そして自立して独立を考えられるんだろう。そういう意味では希望を感じた。
どうしても魅力的な要素が物語前半に集中してしまっているところがもったいなかった。映画のポテンシャルからしてもっとできることがあるはずだと思う。こういう男くさい映画はどんどん出てほしいし、中華系映画は贔屓目に見てしまうが、それを持ってしてこれはギリギリ良作と言わざるを得ないかなあ(映画館で金払っとるし)。今後のさらなるブラッシュアップを期待するわ。ごきげんよう〜
