ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

男(という概念)の映画「ムーラン」

年末年始ディズニー地味セレクト最後の作品。ムーランが足の悪い父のために、男として兵役にのぞむストーリー。作品の主軸は良くも悪くも「男」という概念。テーマが好みだったので期待値が高かったが、それに応えた良作。

ムーラン(吹替版)

【主要人物】
・ムーラン
・ムーシュー

作品のハイライトはもちろん、「男」を歌う名曲「闘志を燃やせ!」。美女と野獣の「暴徒の歌」が好きな人は好きな曲よ。日本語では厳しい鍛錬が際立っているが、英語や中国語では襲い来る民族を迎え撃つ具体的な攻撃心があるのもポイント。映像特典にジャッキー・チェンが歌う中国語版が入っているのもかなり嬉しい

当初かなり場当たり的なムーランだったが、「個人としてなすべき事をなす」という観点で成長し、組織に貢献。最後は同僚たちが女装して敵の気を引いたりする逆転現象も起こる。戦術・知恵をもって敵を打ち倒すことでムーランは英雄となるが、それ以上に無事に家に帰ったことを父に喜ばれる。お約束だが温かい。

ラストに向かってのスケール拡大も素晴らしい。物語最後の戦いは、敵が倒されたと思って催されたパーティーの場となり、とてもディズニーらしい盛り上げ。最後は花火で締めくくるのも中国らしいポイント。

本編の進行は戦いが中心で比較的シリアスだが、家の先祖の霊などがコメディリリーフに該当する。その中で同行するムーシューは、あくまでムーランの意思決定の補助として具体的な行動を助けるにとどまる。このすみ分けが絶妙で、ムーランのキャラクターや成長も際立ち、本編のシリアスさとのバランスも取れている。

惜しむらくは本編に中国語音声がなかったことか。せっかくあちこちに中文が登場しているし、世界観も徹底して中華だったから没入したかったわ。というわけで、総じて良作、素晴らしかったわ。ごきげんよう~

ムーラン(吹替版)

ムーラン(吹替版)

  • すずきまゆみ
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