ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

死への恐怖が生々しい「スピード」

爆弾事件が起こって、エレベーター→バス→地下鉄と展開していく。メインはバスね。スピードが下がると爆発するから走り続けなければならず、警察のキアヌ・リーブスが死にそうになりながら頑張る話。

スピード (字幕版)

【主要人物】
・主人公(キアヌ・リーブス)
・ヒロインの女性
・犯人

この映画のポイントはとにかく強いリアル志向死への恐怖。バスの全員に爆弾魔の存在が知れ渡ってからエンジンがかかってくる感じね。走ってるバスの下に台車で滑り込んで解体するとかとんでもないアクションを見せてくれた。命の危険を演出するのがとても優れている映画で、「キアヌ・リーブスがタイヤに巻き込まれて死ぬうぅぅ」ってマトリックスよりハラハラしたわ。

心理描写はほぼ無く、行動や喋りに表しているのも特徴。バスに乗ってる人質10数人が今の気持ちを喋ったり行動に出すのでリアリティのあるパニックとなる。主人公の状況説明とか爆弾との向き合い方によって車内の空気も変わっていく。この緊張感が疲れるのよ。

最終的に地下鉄に犯人が逃げ込み、ヒロインも一緒に誘拐される。ヒロインも名演なので電車の運転手が殺されちゃうあたりで「ああ…(悲鳴)!ハア…(恐怖)!」って感じだから私もそれにシンクロさせられて(人のせい)「ああ…(悲鳴)!ハア…(恐怖)!」ってなってこれまた疲れたわ。最後は電車の上でもみ合いになって犯人が死んで終わりよ。

そして2人が結ばれたんだけど、本編の絶望を覆すほどではないのですごく疲れが残ってるわ。本編で死んだのは相棒と電車運転手とバスの外に出ようとしたババアくらいなんだが、それでもすごい絶望感だった。死をすぐそこまでに感じさせるパワーがこの映画にはある。これは良作ね。

これが傑作判定じゃないのはもはや好みの問題で、死への恐怖があまりにも生々しいのよ。ハッピーエンドで回収できない恐怖は過度でしょ。出来が良すぎて体調を崩した映画「1917 命をかけた伝令」に近い物がある。こういう方面で出来が良すぎるのも考えもんだわね。ごきげんよう~