ガレージで開発とかやってるエンジニアの若者マイロに、アップルみたいな大会社からスカウトが届くわけよね。その会社は「シナプス」って言うSNSの走りみたいなのを作りたいと。マイロはそこに合流して仕事を始めるわけだが、どうも会社に悪い噂が立っているみたい。
【主要人物】
・マイロ
・ゲイリー
CEOゲイリーはどう見ても完全にビル・ゲイツなんだけど、これがいちばんのホラーポイントよね。彼が優秀な技術者を殺害してソースコードを盗んでいたのよ。それをSNSシナプスを使って告発し、シナプスのソースコードも公開することでガレージの若者に光を取り戻すという話。
ハイライトは、中盤で真犯人がゲイリーだと発覚するところね。親友を殺害し、ソースコードを盗んで仕上げたディスクを「いい案が降りてきたから開発に役立ててくれ」と机の上に置いたとたん「ドーン」って効果音がするのよ。わかりやすすぎるだろ。
さらに深夜に会社でコソコソ探っているマイロのもとへゲイリーが現れるんだが、明らかに「怖いものが来ました」っていう効果音演出。もはやゾンビとかジョーズと同じ扱いである。
また、マイロが託児所の子供向けPCに入り込んで社員の個人情報を確認する場面。昔のMacの子供向けみたいな無邪気なUIに社員の逮捕歴や殺害のためのアレルギー情報が動画付きで出てくるのよね。この対比は、会社の不気味さが際立って良かったわ。
サスペンスとは言うが犯人が中盤であからさまになった以上、緊迫感があるのは「気づかれる・追いつかれる前にPC操作します」っていうパターンに限られる。あとほとんどの登場人物が裏切っててガレージの男どもしか信用できないというのもどうなんだ。
せっかくビル・ゲイツ似の役者を連れてこられたんだから、もうすこし人物設定を作り込んで映像に反映させたら傑作たり得た気がする。総じて、プロットと役者がすごく魅力的だが、演出がイマイチで相殺されて普通の映画ね~。とはいえほぼゾンビと同じ扱いのビル・ゲイツ(悪)は一見の価値あり。ごきげんよう~