世界的なアーティストになるため頑張るぞー系の話かと思ったんだが、当時の黒人を取り巻く社会がそうはさせてくれない。
【主要人物】
・エフィ
・カーティス(プロデューサー)
・ステージでパンツ出した人
この社会に生きるアーティストとプロデューサーの話なんだわね。最初は黒人コミュニティのラジオでしか音楽を流せず、そうしている間に白人に曲を盗まれるらしい。
3人組の黒人女性の音楽ユニットで、センターのエフィはパワフルな歌唱で曲をリードする。しかしデビューにあたり、3人の中でルックスが良い者をセンターに据えるなどプロデューサーの意向で方向転換。ブラックミュージックの範疇から抜けて一般受けを狙うためとは言え、世知辛い。
ストーリーとしては成功落ちぶれ恋愛関係で結構ドロドロしてんのよね。でも音楽で感情表現をすることによってドロドロを感じさせない。なんなら中盤でエフィが脱退する修羅場部分が音楽も舞台も複雑で最も素晴らしい。
時間は移ろってどんどん音楽の流行が変わってきて、自分のやりたい方向から外れてくるのは男も同じらしい。なんか男性アーティストがステージでパンツ出してクスリで死んでたわ。世知辛いわね。
さらに、エフィが歌った曲を脱退元のドリームガールズが盗んだという最悪の形になったが、すべてはプロデューサーのせいだった。プロデューサーは逮捕され、ようやくエフィにチャンスが巡ってきたという希望を感じさせて終わる。
全体的にステージもののミュージカル映画という感じで、歌じゃない部分に関しては普通のドラマくらいのカメラワークだった。歌がはさまることを考慮してもテンポはそんなに良くないかな。歌は感情表現の役割を十分担っていて素晴らしいんだが、映画として考えると普通の映画ですな。黒人社会や文化への関心が深いともっと違った見え方をするかもしれないわ。ごきげんよう〜