【ネタバレ注意】2人の男が魚の塩焼きの骨を通じて知り合う。ハマちゃんがコンピュータのミスで四国→東京に転勤となって、スーさんを釣りに誘うんだが、社内報とかを見てないから勤め先の社長とは気づかずに釣りを指南していく。
【主要人物】
・ハマちゃん(仕事を犠牲にしている)
・スーさん(趣味を犠牲にしている)
映画冒頭でハマちゃんが魚を釣り上げるんだけど、明らかに活きが悪くて爆笑したわ。カメラワークは、自然風景と人をノスタルジックに見せる。コメディ部分はわりとあっさり(=不必要にもり立てずに)撮影しているので、騒がしく楽しい日常を視聴者に印象付ける。そしてシリーズ恒例「合体」の潔い演出も素晴らしい。
釣りを通して2人は親しくなっていくが、成長目覚ましいスーさんに嫉妬してことあるごとに年寄り扱いするハマちゃんなど対立の構図が生まれて関係性が引き締まり、さらなるおもしろ展開が予期される。
本作のハイライトはスーさんの豪華な自宅。ロイヤルブルーのカーペットに和タンスやらが置かれている和洋折衷のセンスが素晴らしい。あとは社長業務で「●●をはげます会」への参加予定を入れられて立腹していたところね。ほんとに何をはげますんだか。
かつて私が劇場で見たのは釣りバカ16で、そっちはコテコテでワッハッハのコメディなんだが、1は「微笑ましい人情ドラマがところどころ面白いですよ」という絶妙なさじ加減。ハマちゃん夫妻とスーさんが食卓の魚を囲むシーンからは幸せが伝わってくる。
終盤でスーさんの身元がバレて一悶着ある。「この付き合いはスーさんのためにならないよ」というハマちゃんのセリフがあまりにも切ない。最後はコンピュータのミスを修正するための人事異動をハマちゃんが受け入れ、四国に帰る新幹線の中からスーさんに電話するEND。この惜しまれるような終わり方がたまらん。
総じて、これは良作ね。キャラクターで魅せるタイプの映画で、キャラのハマり具合は国民の知るところ。釣りの知識もあっさりめで見やすい。あと、ラブシーンがコメディになっているところがけっこう大発明だと思うわ。ごきげんよう~