いい年して、夏目漱石が好きな理由がウンコを漏らしたからというのもどうなんだと思い、漱石山房記念館へ行ってきた。500円で入場でき、じっくり回っても1時間というコンパクトさ。
今回は漱石と、小宮というお弟子さん(三四郎の元ネタ)にフォーカスした展示だった。1Fでは漱石が暮らした部屋を見ながらスタッフさんの説明を受け、2Fへのぼる。階段には漱石と小宮の関係性がよく分かる可愛い系の四コマが。
階段を登ると、漱石の著作の中から特徴的な言葉を抜き出したものが散りばめられている。これで読んでみたいと思わせるパワーが、さすが漱石である。いよいよ小宮の展示スペースに入る。
今回の目玉は、漱石と小宮とのほのぼのした手紙のやり取り。漱石の「第一銀行の株がまた下がった様だよ」が個人的ほのぼのハイライト。手紙の原本は、現代訳と比較すると少し読める日本語で書いてある。こういう読める字で書いてあると「本当に漱石いたんだなあ」と感じるわ(至極当然)。あと本の展示のスミに変な箱があると思ったら乾燥剤だった。
この展示のおもしろハイライトはビデオ展示。内容は小宮の一生で、文化サロンの集まりの場面。なんか芭蕉の句に出てきたセミがアブラゼミかニイニイゼミかで二年も揉めたらしく、小宮の仮説(ニイニイゼミ)が勝ったという。
三四郎の主人公が小宮と言われており、「東京に来て驚いたのがどこまでいっても東京がなくならないこと」というお笑い芸人の後輩みたいなことを言ったらしい。漱石が可愛がるのもわかる気がする。最後におみやげ屋さんがあるが、漱石さえアクリルスタンドになっていたわ。時代だわね。
ひととおり回った後はカフェでお待ちかねのおやつタイム。バターケーキを食べたが、これはカステラの親戚ね。こんどはモナカも食べたいわ。ブックカフェということで漱石の本も読み放題。今回の展示を通して、三四郎と草枕に興味が出たわ。読み終えたらまた来てみようかな。ごきげんよう〜