ステキな4コマ

毎日更新。茶の間で日記と映画の話をするブログ

背景美術が素晴らしい普通の映画「ブレードランナー」

【ネタバレ注意】なかなかいい感じのサイバー未来的世界観で、引退した警官が捜査に駆り出される話。人間と、人間より優れているが4~5年の寿命というレプリカント(見た目は人間)という存在の対比がある。レプリカントは寿命が来るのを恐れている。

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)

そのレプリカントが犯罪しているから逮捕しろという話なんだけど、5人を追いかけてるのに4人くらいしかつかまえてなくて最後に女の人(レプリカント?)と一緒に逃げていく。なんとこれ未完で終わってんのね。

序盤からのネオンの町並みとアジア街などのゴチャゴチャ感が素晴らしい。インチキな日本語が書いてあったがもはやそれも味わいか。なんか日本人のいる飲食店で「4つくれ→2つで十分ですよ」という謎のやり取りがあるんだが、なにが十分なんだ。何を食べてるんだ一体。これが作品最大の謎だよ。なんかどんぶりに入っているようだ。話が進むと暗い路地とかが出てくるんだが、暗くて雨が滴っててサイバー感もあるのが良い。華やかな市街地との対比も盛り上がる。

そんな素晴らしい世界と設定なのに、とにかくテンポが悪い。キスシーンと死ぬシーンがやたら長いんだけどそれに意味を感じなかったわ。どいつもこいつも主人公と対峙してそれほど濃密な時間を過ごしてるわけじゃないのに。時間配分はもっと他にやりようがあっただろ!すんごい映画が難解に感じたわ(もはや5人捕まえる残りが何人か定かではない)。

テンポと芸術性のバランスは、映画界の能楽と名高い2001年宇宙の旅を見やすくした感じだわ。なもんだから、芸術性をテンポの悪さで相殺されて普通の映画ね。ごきげんよう〜