【ネタバレ注意】犯罪だろうがなんだろうがとにかく荷物を運び、荷物と依頼人に干渉しない男の話。序盤はスレスレのカーチェイスから始まる。決して車を傷つけず、過大も過小もない厳格さと仕事のクオリティの高さを印象付ける。
2つ目の仕事はでかい荷物運びだが、荷物が動くのでとうとう開けてしまうと中身はなんと女性だった。ここから命を狙われることになる。女性は「仲間や家族が人身売買の被害にあっているので助けなければ」と言うのだが、終盤で父が人身売買元締めであると発覚。なんとか戦って、女性が父を射殺することでコンテナの人質が解放されて解決。
これは傑作寄りの良作ね。主要人物それぞれに見せ場があって、一息ついたところで隠されてる事実が暴かれるテンポの良さが素晴らしい。あと退屈な絵面が一つもない。個人的ハイライトは終盤の酸素補給のシーン。そうそうある絵面ではない(水の中に逃げ込み、倒した男から口移しで酸素補給)。映画全体から「見たことのないものを見せよう」という気概を感じる。
丁寧なアクションシーンもポイントで、一人ずつ1箇所だけナイフで刺して無力化するというように、主人公の性格がきちんとアクションや行動にも反映されている。主人公が強いタイプの作品の魅せ方としては理想的だわ。そんな優れた作品だが、傑作にはもう少し大規模さやパワー(多少の矛盾を気にさせず押し通すような勢いある展開)があってもいいかなあ、というところだった。ごきげんよう~