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同等の強さの驚異との戦い。書評その25「ダレン・シャン3 パンパイア・クリスマス」【ネタバレ注意】

衝撃作ダレン・シャンも3巻め。図書館で借りてきたところ、1,2巻は紐のしおりが擦り切れていて使えなかったのだが、この巻からはしおりがきれいな状態だ。つまり多くの人は2巻を読んで失神して離脱したのではないだろうか。【ネタバレ注意!】

今作は「同等の強さの驚異との戦い」

バンパイアは優れた身体能力を持っており、半バンパイアであるダレン・シャンも全バンパイアには及ばないがその例に漏れなかった。フリークサーカスからウルフマンが脱走でもしなきゃもうバンパイアとか無敵だろと言いたかったが、もちろんそうではないらしい。今回、強敵が出現する。その強敵は、バンパイアから枝分かれした「バンパニーズ」というものだ。それを通じて、主人公ダレン・シャンと、同じくらいの歳の蛇少年エブラとの友情と、保護者クレプスリーとの信頼関係、わずかに女の子との恋も描かれる。

クレプスリーの故郷で殺人犯を追う

「バンパニーズ」とは、バンパイアの中でも過激派みたいな連中のことだ。そいつらは「人間って食糧だよね!」みたいな感じで、血を吸った後は殺してしまうのである。バンパイアは人間を殺さないようにこっそり血を少しだけ抜き取ってるのに。

クレプスリーの故郷で人が失血して死亡しているニュースが続き、クレプスリーがこれを追い、ダレンとエブラはそれに巻き込まれに行く。クレプスリーに関しては開示されている情報が少ないこともあり、殺人犯をクレプスリーと決めてかかったダレンとで食い違いが出るが、ともにバンパニーズを捉えるために収束してゆく。ちょっと恋もするが、もちろん実らせるわけにもいかず、バンパイアとしての生活に戻るのであった。

本作までの話が、ダレンの人間との関わりが描かれたのだが、このあとのストーリーは毛色を変えて、バンパイアの階段を駆け上がっていく。

裏切るか、はらわたを開示するしかないのか?

既刊2つを読んだ経験上、登場したキャラクターは「生存して敵対」か、「最後まで味方でいてくれるが死んではらわたを開示する」かの2つがあった。ということは、今回登場する女の子かエブラが…と私は勝手に青ざめた。ところが、今回はらわたを開示したのは悪党のバンパニーズ。いや~良かった、真っ当な結末だと思ったのもつかの間。次の巻から、善悪とは見方によって変わることを突きつけられることになる。ごきげんよう~