1年ほど前に読んだ本。2人1組の人間と2匹1組のネズミがチーズを探して歩き回るだけのシンプルな話。主人公たちはチーズを探しているので目的が明確だ。この本から読み取れる内容も明確で、「人間は知性ゆえに問題を複雑にする」「人間は現状維持をしたがるもの」であり、それは「変化への恐怖」から来ているというもの。
知性ゆえに色々解釈できるのが人間のいいところだが、事実は事実でしかないのに、いつの間にか勝手な解釈が加わったりしてゆく。しかもこのタイトル、ただ落ちていたチーズを指して「(俺の)チーズはどこへ消えた?」って言っているのよね(気持ちはとてもよくわかる笑)。でいっぱいあったチーズがなくなるとどんどん不安になる。
人間が現状維持をしたがるのは、昔は外は危険がいっぱいだし確保できる食事にも限界があったからその名残もあるかなと思う。ネズミのほうはただ食べて、食べ終わったら新しいものを探してウロウロするだけ。とても単純な動き。人間側は知性があるゆえに悲観的になって騒いで結果動かないと言うところが問題。
巻末の方には、大学の研究室で実際にディスカッションした様子まで記載されているので、親切の一言に尽きる。それにしても、 「(俺の)チーズ」とかはよくやりがちなので、気をつけないと。事実は事実として解釈というのは結構パワーがいるから少しずつやっていこうと思う。ごきげんよう〜