ステキな4コマ

毎日更新。映画感想と日記の日替わり(ネタバレあり)。

クーロンズ・ゲート25周年記念イベント「超級路人祭」参加レポ 【ネタバレ注意】

「フゥルルルルルルルルル(高音巻き舌)」

2022年10月29日、渋谷はハロウィンだった。バカヤローそんな軟弱なイベント行ってられるかという超級路人の皆さんが臨むのはもちろん、クーロンズ・ゲート25周年イベント「超級路人祭」。会場チケットも完売、誠におめでとうございます!

入口の様子。

(イベントレポ拙いですが、暖かく見守ってくださいませ。少しでも会場の臨場感を感じたり、当日の熱狂を思い出せる内容になればこれ幸いです。)

開始前

開始前の様子。このあと火災警報器が発動。

まず入場して適当な席を確保。ほんのりBGMが鳴っており、エンカウント時の「フゥルルルルルルルルル(高音巻き舌)」が気分を盛り上げる。開始5分前にスモークが焚かれて、雰囲気がより一層盛り上がったところ火災警報器が発動。学校の避難訓練と同じ間抜けなサウンド(ファン↑フォン↓ ファン↑フォン↓)で警報が鳴った(もちろんスモークによる誤報)。「こういう演奏ですか」「演出ですか」など会場は一気に和やかな雰囲気に。

当日のメニュー

人生で1秒もライブハウスに行ったことがなかったので「ワンドリンクオーダー」とか書いてあって一体どうやって飲み物が出てくるんだと思ったらキッチンが隅の方にあってちゃんと調理されて出てくる。ここは超級路人として「クーロンズコーラ」と「路地裏の剥きえび」を注文。どちらも大変美味!剥きエビが忘れられずに後日サイゼリヤでも注文(なんとかフリッターみたいなやつに塩をかけて再現)

クーロンズコーラと剥きえび

オープニング

作曲者の蓜島さんによる大迫力の演奏に拍手喝采。クーロンの味わいのある音が取り込まれたすごいDJ機材?キーボード?(語彙力すいません)のようなもので巧みにサウンドを操る。お召しのシャツも素敵で、なんかベートーベンのようなクラシカルな出立ちからのとんでもないサウンド(恍惚)。パフォーマンスと共にゲーム中の映像が流れるが、クーロンの世界は古い中国を映しつつ、ずっと未来を描いているように新しく感じる。

カオストーク

まず今回の「超級路人祭」の位置付けは、私たち超級路人がクーロン大学を卒業し、大学院へ入学するような位置づけのもので、クーロンはこれからの25年に入るという晴れやかな舞台ということが明かされた。この25年の節目に、開発秘話などの裏話が惜しげもなく語られることとなる。以下箇条書きでいくつか抜粋。

クーロンは、実は発売形態が決まっていなかった(もしかしたら映像作品になっていたかも?)。当時のソニーミュージックの会社の方針で、高級な機材(ONYX)を活用し負荷の高いものを作ってみようと言うことになり、汚れや歪みを作ることになった。それが香港に通じているとの事。当時はPSや3DOなどゲームが続々と発売されている時期であったことから、ゲームで展開することとなった。

・「鏡屋が救出される場面のセリフは、当初の台本から差し替えた」という話。ゲームのバージョンは生々しくなっている(=シンプルで、説明感を排除してある)。このようにブラッシュアップされて、より臨場感が高まりクーロンの世界観に没頭したのだなと感動。当日このシーンを出すために攻略本を一生懸命読みながらやったという(笑)。

・曲のあらゆる箇所にある声はどストレートにいうと「新宿のオカマ街の声」を拾ってきて混ぜたものだという。混沌としたところがクーロンの世界観構築に磨きをかけていたのだなと納得。ちなみに「ハッピーアワー」については広東語であり、声優さんの声ではないと言うこと。

・商標についての話。タイトルを商標登録することが不可であると言うことで、できないのであればと他の人に取られないよう真ん中に・(なかぐろ)を打った「クーロンズ・ゲート」にしたのであった。「・」は商標に含められないらしい。ちなみに、当時の商標の取得には3年もかかるらしい。

「あなたは扇風機にされました」という衝撃的なゲームオーバーは、メディアアーティストのハチヤさんのアイディアであるそう。

次の25年について

監督の木村さんから次の25年についてお話…の前にフォントの裏話があった。25周年ロゴのフォントには「ベンギアト」と言うものを使用している。以前のものは、フリーフォントからとってくみ上げたタイトルロゴであるらしく、著作権的に「何事だ」と言われないようにダブリューの左右を返してあったりした。また、逆三角形の構成は緊張感を煽るデザインとなっている。プロジェクトのロゴ(脅迫状のようなやつ:木村さん談)については、ゲームにとどめたくないと言うことで幅広く使われるようになる(Tシャツなどにも)。

左:25周年ロゴ、右:ゲームのロゴ。の不織布バッグ

今後については「遠心力」をキーワードに可能な限り素材を公開して使ってもらうクリエイティブコモンズのようなものを想定しているとの事。次の世界観を構成するキーワードを2つ紹介され、一つは「オカルト」=「隠された真実」がキーとなる(やはり)。また、ドイツなどが絡んでくると言う。イメージ画像はAIで生成したとのことで、ワールドマップも少しご紹介いただいた。二つ目は「ネットロア」=「ネットワークはダークなものである」ということ。SCP財団、幽霊が出てくるAIワードと言うミーム、そしてネットワークは魔界につながっているのではないかというお話などなど。今後は「自分クーロン」のきっかけになるような創作のフックを数多く用意しているとのことで、超級路人の皆さんの創作意欲もかき立てられたのではないだろうか。ワクワク。

ここで5分間の休憩。内容が盛りだくさんなので順調に時間が押しているとの事。

朗読「小黑秘話」

本作のヒロイン「小黑(シャオヘイ)」の声優さんである野中希さんによる生朗読。なんと贅沢なことか。ストーリーは書き下ろし。小黑の一人称視点で語られるシリアスなもので、もう色々と大変感慨深い。中国語圏で滅多につけられない5つの苗字、白い霧などのキーワードで展開される。以前のクラウドファンディング辺りの時期に着想があったストーリーであるとのこと。会の最後にはなんと、野中さんが当時からお持ちのクーロンズゲートのスカジャンをご披露!超激レアアイテム。

次回作「クーロンズリゾーム」のサウンド演奏(2曲)

1曲目は「陰界ダイブ」。「ふざけんじゃねえええ」というセリフが随所に散りばめられる。クーロンらしいけど、あたらしいクーロン世界の開幕を想像せずにはいられない曲。2曲目は「鳴力 (ミンリー)」。谷で行われる儀式をイメージした曲で、今までのクーロンとは違った解放感や透明感を感じるような曲。素晴らしい演奏で期待を煽った後の蓜島さんの「いつ出るんですかね…?」に一同大爆笑。(お待ちしております!)

写真撮影の様子

最後に、プロデューサーの須藤さんから「クーロンは人格」とのお言葉が(クーロンは大学であったり人格であったりする)。さらに「今後のイベントのオーガナイズについても「我こそは」という人は是非」とのこと。そんなこと言われたら私は間に受けて大至急立候補いたしますが、本当に大丈夫でしょうか…?最後に写真撮影をしてエンディング。さらに、twitterなどでお披露目されていたコースターが30枚限定で、整理券番号末尾が960(クーロン)の超級路人に配布された。

終了後

近くの席の超級路人の方が蓜島さんを捕まえてお話を伺っていたので便乗して聞かせていただいた。その中で、今の音楽はわかりやすいものが受け入れられやすい傾向にある。しかし、その流れがある中でも、それだけが全てではない…と言うニュアンスのお話があった。クーロンの世界観を確固たる音楽表現に落とされた方のお言葉はとても力強く心強い。

この話を伺って、以前読んだコミュニティの本の「考察を呼び起こす余白」の話に通じていると感じた。クーロンの世界やサウンドはとても奇天烈で、「分かりやすさ」とはほど遠い一方で、特定の層に非常に刺さる濃い世界観が魅力である。このような世界観と、描ききられていない余白が考察を呼び起こすのだろう、だから25年経過した今でも支持されるのだろうと感じた。また、クラウドファンディングや制作状況の共有を通じて、いわゆる共犯者を増やしてコミュニティを熱狂させていくことも今日の盛り上がりに通じているのだと感じた。
↓手前の記事にて恐縮ですが「考察を呼び起こす余白」について以前書いた記事もよろしければ

戦利品

A1ポスター

こちらとしても25周年ということで「早く金を払わせろ」状態であったので、あれこれと購入。先ほど掲載した不織布のバッグは新ロゴと旧ロゴの2種類。サイズが違うので用途も広がる。ポスターは大至急部屋に貼った。A1サイズの大迫力!もう2,3枚くらい貼ってもいいなあ(錯乱)。さらに、パンフレットも。小黑秘話とステッカー付き。リゾームの音源を収録したUSBも付属(Google DriveのURLメモも入っているので、そちらからのDLも可能)。

パンフレット

会場は意外に若い人も多くて、男女比も半々っぽかった。会の後に仲良くなった超級路人の方と「これで安泰ですね〜」と話す。ハロウィンの人混みを避けて帰りつつ、良き思い出を噛み締め、今後の展開への期待を膨らませた1日となった。

クーロンはPSのゲームということでプレイする環境を確保するのが難しいという軟弱な言い訳でブランクが大きかったものの、当日は楽しめたので良かった。一方で、中国への出張や中国語が身についたことが大きく、クーロンの世界観に近づいたという嬉しさも。今思えば中国語との出会いはクーロンから始まっていたのだな…(恍惚)

ということで、今後クーロンがますます盛り上がりますように!

※超級路人祭の翌日には、クーロンのサントラがMP3化されていることを知り、大至急購入した。

クーロンズ・ゲート

クーロンズ・ゲート

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